自動車ニュース
選ばれるタクシーを目指して、クラウド配車に迫る―kmグループ (3/3)
●97%のスマートタクシー配車を実現
乗務員全員に集まってもらい、意見を集約して、(2012 年)1月中頃からスタートしました。9月、10月は移行期間。
高齢者が多いので、ある程度ゆっくり慣れてもらうようにしました。
 1月現在、(スマートタクシーによる)配車は80%を超えています。1月2日には、97%にも達しました。

●月に50 件もの問い合わせ
 一ヶ月で50 件くらいの問い合わせがきています。
 地方からわざわざ来て頂いたり、向こうから「ぜひ見たい」という声も多いです。
 地方の場合は無線での配車が不可欠ですが、固定経費がかかるために無線室が置けなかった場合でも、(スマートタクシー配車なら)ある程度のエリアで まとまって配車することができます。
 この発想は、他に使えます。例えば、雨の時は電話が殺到し、無線室が注文に対応できないことがあるのですが、その対応しきれない分を晴れている別のエリアで受けることもできます。同様に、夜間だけ外部へ委託し、経費を削減することも可能になります。

●事故とクレームをゼロに近づける努力
 タクシー車両のタブレット上に、交通安全を喚起させるフレーズ... 、例えば「雪が降っていますので、スリップに気を付けて下さい」「早めのライトの点灯を」などと表示させることによって、事故率の減少に貢献しています。
 (インタビューに同席していた日本ユニシスの担当者によると)ユニシスとしては、「ITで安全安心にいかに貢献できるか?」を考えています。過去の事故多発地点の情報を分析して新人ドライバーに表示できるような機能なども、対応させて行きたいと思っています。

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国際自動車では今後、提携するタクシー会社を増やす方針だ。スマートフォンを利用したタクシー配車は、国際自動車と日本ユニシスのグループ以外にも、日本交通グループ、東京無線協同組合と富士通テンのグループなど、相次いで登場した。
この分野の競争は激化しつつあり、今後のタクシー市場を大きく変える可能性を秘めている。
 今回の取材で感じたのは、やはり決済システムとの連動がキーになるということ。というのは、配車履歴や顧客情報・ログなどが手元にあれば、タクシー会社も提案型の営業戦略がとれるからだ。その際、一つ足りないのが決済システムとの連動。決済システムとの連動さえできれば、営業収入がリアルタイムに把握でき、様々なサービス展開や事業戦略に大きな影響を与えると感じた。
 交通圏内での競争だけでなく、配車アプリやシステムを利用したサービス競争が始まったとも言える。同時に、『選ばれるタクシー』を目指して、システム開発の優良なパートナーを求める提携競争が、日本全土で始まった。