自動車ニュース
会員企業との連携、教育に参加する仕組み 東京無線タクシー (2/3)
どのような研修を行っていますか?
 無線の配車システムも高度化しているので、新人乗務員研修向けに模擬配車システムを構築し、実際の配車業務が体験できる実践的な講習を行っています。
 ユニバーサルドライバーは、間もなく導入されるので、徐々に拡大させて行きたいと思います。
 全国福祉輸送サービス協会から全国で初めて教育機関としての認定も受けました。昨年からスタートさせ、1日講習を年4回行い、これまでに3回の講習が終了しています。1日講習の中では、車イスを使った実践的な講習も行っています。
 また、初任診断・適性診断などは会員企業にナスバネットを導入するなどして対応しています。

̶どのような経緯で乗務員教育を充実させてきたのですか?
 教育を始めた当時は教本なども薄く、徐々に教育日数を増やす中で、内容を充実させて行きました。今では教本も300ページぐらいあります。
 カリキュラム内容は乗務員指導要領に基づいて作成してきました。スタッフは12名おり、11名が講師を担当しています。乗務員教育の考え方
̶乗務員教育を行う上で大切にされていることは?
 タクシー事業にとって大切なものは、安全・安心・快適さだと考えています。これが一番の基本だと思っています。
 タクシーは法律の範囲内でサービスを提供する事業ですので、お客様が満足されるためにと思われる接客サービスでも、法律的にお断りしないといけないこともあります。例えば、乗車禁止地区での対応などです。基本的には、法律の枠の中で、どう接客サービスを行っていくかが重要です。

̶講習に関する費用などは?
 講習費用は、会員企業が全て負担しており、講座により数百円から1万円くらいまでの費用が必要です。講師の育成も社内で行っており、他の研修会や乗務員研修などに参加し、切磋琢磨しています。


自ら襟を正す仕組み
̶確実に実行させるために、どのような取り組みを行っていますか?
 一度出庫すれば、目が行き届かなくなってしまいますので、独自にモニター制度を構築しています。これは9つのチェック項目を確認し、東京無線に結果を報告する制度があります。
 問題点があれば、すぐに是正します。モニターは乗務員に、その場で注意を促します。このモニターは、加盟会社の役員と運行管理者などが担当し、総勢300名を超える規模です。
 問題があった乗務員のモニター報告書は、一度、東京無線の事務局に集められます。その後、各社の運行管理者へ送付され、回答を求められる仕組みです。組織の中で、自らの襟を正す仕組みが機能しています。
 また、このモニター報告書は、毎月開催される理事会で各社ごとに報告され、相互に切磋琢磨する仕組みをとっています。タクシー乗務員の勤務態度を外からでも見える仕組みを作って行く必要があると思っています。モニター報告回数も合わせて報告しています。
 タワーリーダーよりもう一つ上に、サービスリーダーを選抜しています。このサービスリーダーは、指導員として現場で問題点があった場合など、その場で指導して報告書を提出する仕組みも構築しています。サービスリーダーは約400名弱選抜しています。お客様から注意される時点では遅いので、外から見える仕組みが大切です。週に2回は街頭指導を行っています。

̶教育に関する今後の重点は?
 今後はユニバーサルドライバーの育成に取り組みます。今後はさらに高齢化してきますので、しっかりと対応して行きたいと思っています。あとは、「当たり前のことを確実に出来る」状態にしたいですね。

̶加盟企業との連携はどのようにされていますか?
 管理者会議があり、加盟会社の管理者との情報交換を行う場を設けています。62社を地区ごとに7つのブロックに分け、管理者で構成する「ブロック会議」という会議を毎月行っています。さらに、ブロック長会議も年に数回開催しています。また、理事で構成する教育指導委員会も設置して、2ヶ月に1度の頻度で開催しています。