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EVコンセプトカー「AERO-Y」を開発  横浜ゴム

 横浜ゴムは1月11日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「東京オートサロン」で、自社技術の研究などを目的に開発したEVコンセプトカー「AERO-Y(エアロ・ワイ)」を初めて公開した。
 EVのモータリゼーションの成長に向け、同社の環境に配慮した技術をあらゆる面で採用しながら、直観的に「走る喜び」を感じてほしいとの思いから参考車両として製作。「空気抵抗低減」をテーマに、タイヤ設計とボディ設計をはじめ、航空部品やハマタイト(接着剤)の開発で培った様々な部門の最新技術を結集した。
 タイヤ開発技術では、空気力学を活用して車全体の空気抵抗を低減。独自の技術により、車両装着時に外側となるタイヤサイドにディンプルを、内側にフィン状突起を取り入れて燃費向上を図った。オレンジオイルをはじめとした先進のコンパウンド配合技術「ナノブレンドゴム」に加え、省燃費性能と静粛性を高めたパターンデザインも採用した。
 航空部品開発技術としては、航空旅客機の構造材やラバトリーモジュール(化粧室ユニット)開発で培った技術を活用。日本で初めて世界最大の航空機メーカーに認証されたCFRP(炭素繊維強化プラスチック)用プリプレグを「AERO-Y」専用にチューニングしてボディ全般に用いて、バッテリー消費量改善につなげた。
 ハマタイト(接着剤)開発技術では、EVに用いられることが想定される異種複合材料の接合において、溶接に代わって接着剤が不可欠なことを踏まえ、幅広い用途で優れた実績を持つハマタイト技術を取り入れた。
 なお、ボディデザイン協力はレーシングカーデザイナーの由良拓也氏が代表を務めるムーンクラフトが担当した。