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テラモーターズ、ネパール市場への進出を決定
テラモーターズ株式会社は2 月10 日、ネパールのカトマンズにおいて、ディストリビューターの有限会社フェア・オート(本社:ネパール・カトマンズ、代表 取締役:Shree Krishna Goenka、以下フェア・オート)と共に同市内にショールーム一号店をオープンした。
ネパールでは電動バイク「SEED60」の販売からスタートし、「A4000i」、電動3輪車、秋には新製品を投入し、2014 年度中に3,000 台の販売を目標とする。

ネパールでは一人当たりGDP が約735 ドル(2011/2012 年、財務省)であるが、内陸国のためガソリン価格は1.26 ドル/L(2014/02/11)と高く、日々の支出の多くを占めている一方、電気料金は約0.07〜0.1 ドル/kWh と日本の半分以下であるため、電動バイクユーザーにとって大きなコストメリットがある。
また、カトマンズは高山に囲まれる盆地であるため、汚れた空気がとどまりやすく、自動車・バイクの増加に伴う排気ガスが原因で、アジアでも有数の大気汚染が進む都市となっている。標高が1,300 メートルと高く酸素量が少ないため、燃料が完全燃焼せず、光化学スモッグが頻繁に発生しており、電動バイクの普及により、これらの問題を緩和することができるという。
また、総人口2,650 万のうち250 万人の人口が集中する首都カトマンズは、総面積50.67km²と小さな都市であり、住民は都市内の移動にスクーターを利用しており、一日に10キロ移動できれば事足るという。テラモーターズの電動バイク「SEED60」は一充電の走行距離が45 キロに達するため、ユーザーに十分な走行距離が提供できる。
また、ネパールの2013 年の2輪販売台数は約20万台に達し、近年では毎年2万台のペースで成長している。ここ最近では女性や学生を中心にスクーターの利用者が増加しており、スクーター型を中心としたラインナップが受け入れられやすい市場となっており、ガソリンバイクの輸入に75%という高関税がかかるため、約1600〜1700 ドルの価格帯のバイクがボリュームゾーンとなり、原油高や大気汚染を背景として、ネパール政府は電気自動車の関税を16%に優遇しており、電動バイクの購入にメリットがある。

アジアでは原油価格の高騰に伴い、中国での電動バイクの年間販売台数が2000 万台を超えるなど、電動車両への需要が急速に増加している。このような傾向は二輪市場が成長するネパール、またその他の新興市場においても同様に推移すると同社は予測している。またアジアだけではなく、中南米やアフリカなどの新興市場のディストリビューターとの提携も進めていくという。