自動車ニュース
年頭所感―神戸運輸監理部 兵庫陸運部長 小林 久詩

「安全・便利で快適な、環境と調和のとれたクルマ社会の実現」


神戸運輸監理部 兵庫陸運部長 小林 久詩

はじめに

新年明けましておめでとうございます。平成27年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。
我が国の自動車保有台数は8,020万台を超え、今や自動車は国民生活や経済活動に欠かせないものとして大きな役割を担っているところであります。兵庫陸運部としましては、皆様方とともに、安全・便利で快適な、環境と調和のとれたクルマ社会の実現を目指してまいります。

公共交通機関の安全・安心の確保について

安全の確保は何よりも優先して取り組むべき最重要課題として、「事業用自動車総合安全プラン2009」のフォローアップで新たな重点施策を追加して、5年目を迎えた「近畿グリーンナンバーセーフティープラン2010」の各目標達成に向け、より一層の安全対策を図ってまいります。
また、自動車運送事業者に対する監査につきましては、「監査方針」及び「処分基準」に基づき、関係機関との連携を一層強化しつつ、より効果的な監査を実施するとともに、運送事業の安全・安心の確保のため、各事業者における運輸安全マネジメント体制の確立と更なる推進に努めてまいります。

地域公共交通の確保・維持について

地域公共交通の確保維持改善につきましては、その地域に即した交通形態のあり方や多様化する利用者ニーズの的確な把握に努め、「地域公共交通会議」等の場において積極的な助言、支援をしてまいります。
地域公共交通活性化再生法を踏まえ、地方公共団体が中心となった地域全体を見渡した面的な公共交通ネットワークの機能の充実に努めるとともに、旅客の速達性の向上、定時性の確保や大量輸送を可能とするBRT(Bus Rapid Transit)の導入などの取組を促進してまいります。
また、超高齢化社会を迎える中、ノンステップバスの導入促進等、利用しやすい公共交通機関の環境整備を進めてまいります。
併せて、バリアフリー対策では、地域公共交通確保維持改善事業による支援等を行いつつ、「バリアフリー法」の基本方針に基づく整備目標の確実な達成及び各市町による基本構想策定の促進を図るとともに、引き続き「バリアフリー教室」を開催するなど、「心のバリアフリー」を推進してまいります。

交通運輸サービスの発展・利便性の向上について

次に、自動車運送事業につきまして、バスについては、平成25年4月に策定された「高速・貸切バス安全・安心回復プラン」に定められた各施策を25年度、26年度の2年間で集中的に進めているところであり、昨年4月以降には貸切バス新運賃制度への移行、書面取引の徹底、運行管理制度の強化をおこなったところです。
本年においては、各施策の実施状況を踏まえ効果を検証し、バスへの信頼が回復できるようさらに必要な取組について検討をしてまいります。
タクシーについては、平成25年11月の臨時国会で成立しました「改正タクシー適正化活性化法」等について、法律の趣旨に則った対応に万全を期し、地域の公共交通機関としての機能を十分に発揮するよう、タクシー事業の適正化だけでなく、積極的に活性化を図ってまいります。
トラックについては、荷主と運送事業者との間における適正な取引を推進するため、トラック輸送適正取引パートナーシップ会議等を通じて、契約の書面化の推進などの取り組みを進めてまいります。また、軽油価格の高騰を踏まえ、燃料サーチャージの導入に向けて、昨年11月から各府県で適正取引説明会を開催し、中小事業者にも浸透するよう引き続き取組を強化してまいります。また、深刻化してきている自動車運送事業における労働力不足の問題については、若年層や女性の労働力活用などの取り組みを進めてまいります。

自動車の安全性確保と環境保全、ユーザーの利便性向上について

 自動車の検査・整備については、自動車の安全確保、環境保全及びユーザー保護の観点から、先進安全自動車(ASV)、電気自動車(EV)等の次世代自動車の普及が急速にすすむなか、これら新技術に係る点検整備情報の提供やスキャンツールの普及に努めてまいります。
自動車の安全確保は、自動車ユーザー自らが日常点検整備や定期点検整備の実施を通じて自動車を適切に保守管理することが基本であります。例年、9月、10月に実施しております「自動車点検整備推進運動」を積極的に推進し、自動車使用者に対して点検整備の必要性について啓発に努めるなど、より一層の安全確保に努めてまいります。
 環境保全につきましては、今後とも積極的に街頭検査を実施するとともに、特に「ディーゼルクリーン・キャンペーン」期間中には、ディーゼル黒煙に重点を置いた街頭検査を実施してまいります。また、環境に悪影響を及ぼし、自動車の不具合の要因ともなる不正軽油に関しましても、引き続き関係機関との協力の下、不正軽油の排除に努めてまいります。
自動車の登録業務ついては、自動車の保有に伴い必要となる各種の行政手続の負担軽減及び行政事務の効率化等を図る観点から導入されましたワンストップサービス(OSS)につきまして、現在50%前後を推移している利用率の更なる向上を目指し、関係機関・団体等と連携を密にして利用の促進に努めてまいります。
ナンバープレートの希望番号につきましては、昨年6月に3通りの番号を抽選番号に加え、人気の高い特定ナンバーを出来るだけ公平に入手していただけるよう見直しを行いました。今後とも、個人情報保護対策のいっそうの推進、申請者の事務手続きの軽減などを行うことにより自動車検査登録制度を更に効率的に運営し、行政サービスの向上に努めてまいります。

おわりに

以上、新しい年を迎え、所信を申し述べさせていただきましたが、関係団体、関係行政機関の皆様方には、なお一層のご支援、ご協力をお願い致しますとともに、今年一年が皆様方にとって大いなる発展の年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。