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神戸運輸監理部 薬物等使用防止講習会を開催
神戸運輸管理部兵庫陸運部(小林久詩部長)は、11月25日、神戸市中央区の兵庫県農業共済会館で「薬物等使用防止講習会」を開催した。バス事業者ら約110名が参加した。

小林部長は「覚せい剤、危険防止ドラッグ使用による事業用自動車の交通事故が後を絶たない状況です。去る10月9日、高速バス運転者が覚せい剤を吸って千葉県市川市から大阪市内に乗客36人を乗せて運行していた事が、不法所持で逮捕され明らかになった。国交省はこれら事案で、これまで薬物使用禁止の通達を発表してきたところですが、再発防止に向けて安全マネジメントの実施によりプロドライバーとして意識の徹底、安全風土の構築に努めておられる皆様が薬物に対する正しい知識を学んで運行管理で地道な努力をしていただきたい」と挨拶。

丸山明則・兵庫県バス協会乗合委員長は「日バス協は薬物使用防止に対してマニュアルを設定、使用防止に努めている。管理者の目で日ごろのチェックで、今一度点検してください。本講習で正し知識を学んで職場で活用してほしい」と要望した。

講義は、寺崎隆弘・近畿厚生局麻薬取締調査総務課長が「薬物の乱用とその背景」と題して講演した。寺崎氏は「日本の薬物乱用事案の8割は覚せい剤によるもの。最近は危険ドラッグ乱用が増加している。第4次薬物乱用防止計画では乱用未然防止を第1目標としている。興奮・幻覚剤はメタンフェタミン、MDMA、コカイン、LSD、鎮静薬としてモルヒネ、ヘロイン、睡眠薬、大麻などがある。メタンフェタミンは俗語でスピード・エス、シャブ、冷たい物、アイス、メス等で注射、あぶりにより使用される。危険ドラッグの定義は、規制薬物又は指定薬物の化学構造に似せて作られ同様の薬理作用を有するもので、違法な成分が含有しないものであることを標榜しながらそれらの薬物を含有する場合の薬物。これらは、ハーブ・リキッド、アロマ、フレグランス、パウダーとして薬事法にかからないように販売している。職業運転者に対する薬物乱用防止教育と職業運転者としての自覚の醸成が大事で、疲れがとれて運転に集中できるやぐっすり眠って明日に備えるなどから手を出す。乱用、依存、そして慢性中毒に至り、薬物依存は完治が難しく、薬に手を出さないこと、薬悪に対する正しい知識、近づかない勇気だ」とした。

田辺剛敏・近運局自動車技安部保安・環境課自動車事故調査分析官は、健康管理マニュアルについて述べ、乗務前の判断、対処として点呼における判断(義務)、点呼結果運転者が乗務できない場合の対処、乗務中の判断、対処(義務)等について具体例を示してハード面とソフト面についても運転者の正直な申告で労働環境づくりによる事前予防を要請した。