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「健全なクルマ社会と活性化へ」兵庫自動車団体新春名刺交換会
兵庫県自動車関係団体主催の新春名刺交換会は8日、神戸市中央区の神戸市勤労会館で開催した。

幹事団体を代表して橋本一豊・兵庫県自動車整備振興会会長は「我が国経済は長年日本経済を苦しめてきたデフレからの脱却に向け、アベノミクス政策の効果によりデフレ脱却に向けた流れに転じ、穏やかな景気回復の基調が続きそうです。
しかしながら、中小企業、地方に於いては政策効果が及んでおらずまだまだ好景気感が感じられない状況にあります。
昨年4月に実施された消費税増税による反動も大きく、本年秋に予定されていた再引き上げが先延ばしとなり、政策の信を問う衆議院総選挙が昨年12月に行われたところであります。
このような状況の中、国内の昨年の新車市場は、4月の消費税の引上げ前の駆け込み需要も伴って三年連続で500万台超え556万2888台となりました。
今年は、10月に予定されていた消費税10%への引上げが1年半の延期が決まり、自動車取得税の廃止や自動車税の見直し等が先送りされた為、4年連続して500万台維持できるかが焦点になっています。
景気が好くなったとはいえまだまだ経済状況の厳しさもあり、ユーザーの生活防衛意識からか、整備費用等のクルマ関係支出の抑制傾向など、保有年数の長期化が進み、依然として業界を取り巻く環境は厳しくなると思われます。
そうしたなか、運輸部門では、近年の株高・円安基調、中東情勢等の影響で燃料価格の不安定化により、中小企業が多数を占めるトラック運送事業者の経営環境は依然として厳しいものといえます。昨今の原油安がプラスとなってほしいものです。
また、事業用貨物車に係る第一当事者事故が増加傾向となっているため、諸対策の実施や交通安全思想の啓発やドライブレコーダー等の関連機器導入促進等を強力に推進しています。
我々自動車関係団体は関係諸官庁のご指導の下、「安心・安全・環境」が社会問題となるなか、自動車業界に於いても安心で安全で環境に優しい車社会を推進し「健全なクルマ社会の発展」と「業界の活性化」を目指し、排出削減を推進し、地球温暖化防止をはじめとする環境保全や交通安全の確保など重要課題に取り組んでまいります。本日ご参集の皆様にとりまして、この一年が大いなる飛躍の年となりますよう心からご祈念いたします」と述べて新年の挨拶とした。

来賓あいさつでは土屋知省・近畿運輸局長は「平素より国土交通行政に対しまして、格段のご理解とご支援を頂き、この場をお借りして御礼申し上げます。国土交通省としましては、復興、復旧、観光などの産業の振興に努め、他方、人口減少、超高齢化といった課題に対し、政府一体となって取り組むため、各地域が特徴を生かした、自立的で持続的な社会を創設するために、まち・ひと・しごと創生法が昨年11月に成立しました。政府としましては、昨年末に3.5兆円の補正予算を組み、経済回復を万全に取り組んでおります。27年度本予算、それから税制につきましても、種々の対策が講じられているところです。最初に全体について申しあげると、一つは地域公共交通の確保の確保・維持です。まち・ひと・しごと法の成立に伴い、これから地域創生には公共交通が前提です。特に運輸行政では、交通政策基本法の交通政策基本計画に基づき、様々な施策を講じてまいりますが、地域公共交通に関しましては、一昨年に成立した公共交通活性化法の改正法に基づきまして、交通網形成計画の策定が本格化してきます。
まちづくりと一体となったネットワークの構築、あるいは、バリアフリーなどの施策への取り組み、といったことを進めて参りますので、皆様にはご協力の程をよろしくお願いいたします。

バス事業につきましては、いま申した活性化再生の中の、面的な公共交通ネットワークが中心であろうかと思いますが、そのような面的なネットワークの確保と、旅客の速達性の向上など、定時性の可能なBRTの導入などの取り組みを促進してまいります。

タクシー事業につきましては、一昨年の11月の臨時国会で成立しました、改正タクシー適正化活性化法に基づいて、法律の趣旨に則った施行に努めます。昨日、一部活性化法の訴訟について判決の動きがあった。適切に対処したい。その他、特定地域の指定基準について、パブリックコメントの手続きなどを進めておりますけれども、その進展を踏まえまして、タクシー事業の適正化、活性化に対して適切に取り組んでまいりたいと考えております。

トラック事業につきましては、荷主と運送事業者の間における適正な取引を推進するため、トラック輸送適正取引パートナーシップ会合などを通じて、契約の書面化の推進などの取り組みを進めてまいります。また、軽油価格の高騰、あるいは、その後の一部下落もございましたけれども依然として高い、そういう状況も踏まえまして、燃料サーチャージの導入に向けて、昨年11月から各府県で適正取引説明会を開催しております。中小事業者にも浸透するよう、引き続き取り組みを強化してまいります。

自動車販売、整備業につきましては、近畿運輸局管内では、自動車の保有関係手続きのワンストップサービスは、こちら兵庫県でもすでに稼働されております。残る未稼働地域の京都府、滋賀県、和歌山県における稼働に努めてまいります。
また、六甲山でも試行されている、超小型モビリティや先進安全自動車、電気自動車などの次世代自動車の普及促進を図り、安全で環境と調和のとれた快適なクルマ社会を目指してまいります。さらに、定期点検整備の確実な実施に向け、自動車検査証に点検整備の実施状況を記載し、指導に活用するなど、自動車ユーザにおける適切な保守、実施、管理を推進してまいります。

公共交通につきましては、安全確保が運輸事業の基本だと考えております。2009年のセーフティプランの見直しを進めております。その中でも事業用自動車の事故というものも確実に減ってきております。皆様方の取り組みのおかげと考えております。引き続き、交通事故をできるだけ減らすという高い意識と積極的な安全対策が重要で、期待したい。

観光振興につきましては、訪日外国人旅行者が一昨年1000万人を超え、昨年は1300万人を超えた。2020年に向けて、訪日外国人旅行者数2000万人の高みを目指して、様々な取り組みを進めているところです。この訪日外国人を増やすという政策は、国際的な相互理解ということもありますし、あるいは、ここ近畿圏でも感じられますけれども、経済に対する影響、恩恵というものも相当のものと感じられるようになってきました。皆様におかれましては、バス、タクシーなど受け入れ対策が重要で、公共交通機関として、このような外国人の受け入れ態勢などについても、意を用いて頂ければと思います。」と近畿運輸局の施策を述べ祝辞とした。

続いて兵庫県警交通部長の一丸武彦氏は「県下の交通事故全体は減少傾向です。死亡事故全体は昨年182人と対前年マイナス6人、全国ではワースト3位。昭和44年の740人の4分の1まで減少しているが、第9次兵庫県交通安全計画の目標は死者133人、さらに平成30年目標は105人で、警察だけでは達成できず、皆様のご協力をお願いしたい。」と挨拶。

その他、兵庫県関係の衆・参国会議員の祝辞のあと、小林久詩・兵庫陸運部長の乾杯の発声で開宴、交歓となった。