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トヨタ、全国販売店業務システムを一新 −タブレットを導入−
トヨタ自動車は2月23日、全国の系列販売店向け業務システム「ai21(アイ21)」の全面改良を、2014年12月に実施し、このほど販売店への本格展開を開始したと発表しました。

トヨタは今回の全面改良の第一の目的を、お客様へより質の高いサービスを提供することとしています。トヨタの販売店では約20年前よりノートパソコンを活用した営業活動に取り組んでいますが、今回、営業担当者用ノートパソコンの営業支援機能をタブレット端末に対応させることで、より迅速できめ細かいお客様への対応が可能とになるとのことです。
 
さらに、高効率なクラウド型のサーバーセンター構築等による販売店のITコスト低減やシステム担当者の工数削減といった、販売店の業務効率向上も見込んでいます。

ai21は、トヨタが提供する、車両販売店向け統合型業務システムで、営業担当者の商談・受注管理から、ご購入後の点検・整備のご案内/受付業務、財務会計・人事給与といった事務領域まで、幅広い範囲を総合的にカバーします。2001年から展開を開始し、現在では全国のトヨタの販売会社約300社が利用しています。今回の全面改良は、2007年以来2度目です。トヨタ系全チャネルおよびレクサス店の合計約5,000店舗で、本年12月までに新システムに順次切替えます。

トヨタによれば、ai21の切替を機とした国内販売店のIT基盤整備だけでなく、お客様の笑顔のためのよりよいカーライフを提供するコンテンツを更に充実し、国内市場の活性化につなげて行きたいと考えているそうです。

ai21全面改良の詳細は、以下のとおりです。


営業支援系機能のタブレット端末対応
展示車周辺の立ち話やお客様宅の玄関先などでも、動画を交えた「商品説明」や割賦商品と組み合わせた「お得な買い方の提案」が可能となり、ITを活用した提案力と、お客様満足度の向上を目指します。
 タッチ操作に対応させた主な機能
 現状(ノートパソコン)も同等の機能を実装済
  商談メモ/見積書の作成
  エアロパーツなど、選択したアクセサリーの装着状態を、360度立体的な画像に投影
  乗り換え後の維持費のシミュレーション
  成約内容に基づくローン審査/自動車保険/テレマティクス等関連サービスへの申込連携
  成約車両の在庫検索/メーカーへの車両発注等、基幹業務への連携

基幹業務系機能のWeb化
主に事務所内で使用する、点検/車検などのサービス受付、新車/U-Carの受注・在庫管理、財務会計等の機能においては、旧来は画面制御のため、各端末に専用ソフトをインストールするシステムでしたが、Webブラウザーで動作する形式に変更することで、販売店内システム担当者の保守・運用工数(定期的なプログラムの入替など)を軽減します。
いずれも最新のOS「ウインドウズ8.1」に対応。
ai21を動作させるため、販売店が端末と併せて購入していた有償ソフトを極力削減し、端末コストの低減をはかります。

集約サーバーセンターの再構築
業務データを集中処理する、トヨタ専用クラウドセンターを新たに構築します。
現在は、一部のai21サーバーを販売店に設置しているが、すべて不要となり、コスト低減のほか、災害・セキュリティーの脅威を極小化することで、お預かりするお客様の情報を、より安全・安心な環境で運用することができます。

オールトヨタ販売店イントラネットの強化
(株)トヨタデジタルクルーズが提供する、トヨタとトヨタの販売店を結ぶネットワークを大容量型に更新することで、通信速度を向上しながらも、利用料を旧来より下げ、販売店のコスト負担を低減します。