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大阪 特定地域の指定については 『次回へ持ち越し』
大阪市域交通圏タクシー準特定地域協議会(阿部誠治会長)は4月24日、ホテルアウィーナ大阪にて第3回協議会を開催し、タクシー業界の現状の報告と活性化方策の議論や、特定地域の指定の賛否の議論を行った。

開会に先立ち安部誠司会長が挨拶を行い、「新しく改正された法律のもとで特定地域の指定を希望するか否かという議論をしていただいて、今日この場で決めていただくため第3回の協議会を設定させていただきました。業界関係者の方以外もたくさんおられますがびっくりされたと思います。第1回のときはこれほどたくさんの方いらっしゃらなかったですが、今日議論して決めていただくことは大阪のタクシー業界にとっては大変重要なことになっており、特に事業者の皆様は関心が高いことですので、これほどご参加になったのではないかと考えております。どうぞ積極的な議論をお願いしたいと思います。また、準特定地域協議会のほうでも活性化策というのは進めてまいりました。後ほど事務局から活性化についてはご報告いたしますので、協議会の活動としては継続してやってきたということをあわせてご報告したいと思います。それでは、今日はたくさんのご参加、議事進行大変難しくなるかと思いますが、どうぞご協力よろしくお願いいたしたいと思います」と述べた。

はじめに近畿運輸局から、大阪のタクシーの現況について説明がなされ、事業者数・車両数は平成20年度より大幅に減少し、実働率、実車率も近年減少傾向にあり、総営業収入の減少に歯止めがないとの報告がされた。また、減車効果により1日1台当たりの実車キロ、輸送回数、営業収入は上昇、乗務員の平均年収も回復傾向にあることも報告された。

続いて事務局より活性化の方策について報告がされ、大阪インターナショナルタクシーやビリケンタクシーによる外国人旅行者の利用や観光の活性化を目指し、子育てタクシーやユニバーサルデザインタクシーなど全ての人が使いやすいタクシーを目指す取り組みなどが報告された。また、大阪府内の居住者に対して行われた大阪市域交通圏のタクシーに関するアンケートの利用結果も報告された。
その後、特定地域の指定を希望するか否かについて議論が行われた。タクシー事業者を代表して、大阪タクシー協会の三野会長は、「平成3年度と25年度を比較して、車両数は増加しているがタクシー乗務員の年収は極端に減少している。年収の回復には供給過剰の是正が必要であり、改正タクシー特措法により減車を進めるためにも特定地域に移行することから出発するべきである」と賛成意見を述べた。

ワンコイン協会町野会長は「憲法22条で営業の自由が保障されています。特定地域のしては憲法22条に違反すると考えます。私はこの立場から、特定地域の指定に対しては反対です」と反対し、その他さまざまな立場から意見が飛び交った。
しかし、タクシー事業者の議決方法について、事前調査で特定地域に合意するタクシー事業者が車両数に対して過半数を占めるため合意という結論に達した際、大阪エムケイ青木会長から「条件つきで賛成をしている事業者もいるのではないか」との意見が出たことで会議は紛糾。青木会長は続けて「いろいろな議論が出て賛否を迷っておられる方もいらっしゃると思います。前提は事業者の過半数であり、それを事前にやっているのはどうかと思う。神戸の協議会ではその場で開票され民主的に進められました。そういったことができないのであれば時期をずらせばよい。今日決めなければいけない理由があるのか」と発言。

一方賛成派からは、「協議会はタクシー事業者以外にそれぞれの団体・自治体などで構成されている。その人たちも議決権を持っているわけで、この中の1票のためだけにもう一度仕切りなおすということは問題だと思う」という意見が出る。阿部会長は会場内で賛否の意見の変更がある場合は申し出るように要請したが、吹田市は「議論の中で貴重な意見を頂き、賛成・反対の意見が割れています。この場で行政の判断を求められるということであれば棄権させていただきたい」と述べ、継続審議を主張するなど会議が紛糾し、結果として特定地域の指定に関しては次回の協議会へ持ち越されることとなった。

なお、第4回大阪市域交通圏準特定地域協議会は6月18日、14時から難波御堂筋ホール7(大阪市中央区難波4−2−1)にて開催する。