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豊田合成、窒化ガリウムの低損失パワー半導体デバイス技術を開発
豊田合成は5月14日、青色LEDの主要材料であり、高い電圧にも耐えられること等の優れた物理特性を有する窒化ガリウム(GaN)を用いて、低損失パワー半導体デバイス※1技術を開発し発表しました。

同社によると、今後は開発した技術がハイブリッド車などに用いられる電力制御装置や、太陽光発電などに用いられる電力変換装置などに適用されることで、これらの機器を小型化・高効率化することが期待できるとのことです。

同社は、1986年から行っている青色LEDの開発・生産で培った結晶成長技術を活用して、2010年から窒化ガリウムを用いたパワー半導体向けデバイス技術の研究開発に着手しました。このたび、1,200Vの高電圧をかけても電流を流さずに、ノーマリオフと呼ばれるスイッチ(ゲート)に信号を与えた場合にのみ電流を流す機能を有する低損失MOSFETを開発しました。

MOSFETとは、パワーデバイス等に用いられるトランジスタの一種です。当社は電流を流す方向が基板に対して垂直となる縦型構造の採用や、ゲートをトレンチ構造にするなど工夫しているとのことです。これにより、実験室レベルながら、電流を流した場合の抵抗が1.8mΩcm2となる世界最高水準の低損失特性※2を達成しました。

なお、開発した技術は「TECHNO-FRONTIER 2015」に出品する予定です。
1) 展示会名 TECHNO-FRONTIER 2015 (主催:一般社団法人日本能率協会)
2) 期間 2015年5月20日(水)〜22日(金) 10:00〜18:00
3) 会場 幕張メッセ (千葉県千葉市美浜区中瀬 2-1)
4) 主な展示内容
・MOSFETのウェハ
・縦型窒化ガリウムSBD(ショットキーバリアダイオード)※3
・SBDを搭載したDC-DCコンバーター

※1:電力用の整流ダイオード、スイッチング用トランジスタなどの総称
※2:当社調べによる
※3:整流ダイオードの一種