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神戸個人タクシー事業協組_54期通常総代会
神戸個人タクシー事業協組(前野博司理事長)の第54期通常総代会は5月28日、兵庫中央労働センターで開催された。

前野理事長は「先日内閣府が発表した2015年1月から3月期のGDPは連続でプラス成長となっており、個人消費や住宅投資、設備投資などが増加すると報じられておりますが、景気回復の実感は乏しく、われわれ個人タクシー業界は大変厳しい経営環境を強いられております。皆様方には運送収入の改善には大変ご苦労されたことと存じます。

また先月20日には、特措法に基づく特定地域に関しての神戸市域交通圏タクシー準特定地域協議会が開催されました。今後は適正化による減車、休車および時短に向けた協議が行われることが予想されます。私ども神戸個人の活性化の取り組みといたしましては、外国語への対応が可能な観光タクシー導入推進をはかるなど、公共交通機関としてサービスの向上に貢献することが必要であると考えております。また昨年より、活性化の一環として近畿運輸局管内では指差し外国語シートの備え付けなど接客のレベルアップが求められております。法令を遵守し、地域密着、お客様へのサービスを常に心がけて、今後も個人タクシーの本来の姿である安全、安心、快適をモットーにして、公共交通機関としての責任を果たしてください。また運営につきましては、組合LPガススタンドの大幅な減少により大変厳しい状況に直面しております。今こそ組合員の皆様に一致団結いただき、組合にとって最善の方向に邁進できますよう真剣に、建設的に議論を重ねていただき、有意義で実りの多い総代会にしていただくことをお願い申し上げます」と挨拶。

来賓あいさつでは、清水俊博・兵庫陸運部主席運輸企画専門官が「タクシー業界ではとりまく環境が厳しいものです。しかしタクシー事業は公共交通機関の中でもドアツードアのサービスや地域のニーズに応じたサービスをご提供いただいております。特に高齢者、障害者など、いわゆる交通弱者といわれる方々を支えていただいており社会的に重要な役割を担っておられることを皆様方も再認識していただきますようお願い申し上げます。
話は変わりますが、神戸市交通圏が4月の準特定協議会で、特定地域への指定の同意投票が行われました。その結果、特定地域の指定を受けることになりました。私ども国土交通省が発表した神戸市域交通圏の適正車両数は、平成25年末で車両数との対比が15.7%、838台過剰であるという数字が出ています。今後特定地域協議会を開いて、減車や営業方法の制限、さらに事業の活性化について議論を行っていくことになります。個人タクシー事業主の皆様も協議会に加わっていただき、今後策定される地域計画にご尽力いただきますよう改めてお願いしたいと思います」と述べた。

大内正照・兵庫県警察交通部交通企画部長補佐は「県内の交通行政についてお話させていただきたいと思います。昨年の兵庫県下の交通事故死者数は182名、全国でワースト3位という結果になっています。本年4月末現在、人身事故件数、負傷者数、いずれも昨年同期と比べまして減少しています。ただ、交通事故による死者数は57名、前年の同時期と比べましてプラス11名、増加しております。5月11日から20日まで開催いたしました春の全国交通安全運動、新聞でも発表がありましたが、県内で交通事故により亡くなった方が8名、これが全国で最多という非常に厳しい結果となっております。一方、県内のタクシーが主たる原因となった人身交通事故につきましては本年4月末現在で222件、前年同時期と比較して9件げんしょうしております。また、個人タクシーにつきましては22件、7件の増加となっております。さて、交通事故死者数の過半数を占めております高齢者の交通事故につきまして、右側の反対車線からセンターラインを越えて渡りきるというところで撥ねられていることが多いです。歩行能力の低下、判断能力の低下、そういったことが認められます。こういったご高齢の方の行動特性を理解していただき、社会全体でご高齢の方を交通事故から守るという機運を高めていただきたいのであります。交通社会のプロとして豊かな知識や経験、これを活かし乗客の利便性の向上と、安全に運ぶ交通機関としての社会的使命を果たされ、これまでにもまして安全速度の遵守や交差点での安全確認など模範運転を一般のドライバーに示していただき、今後ともなおいっそうのご協力ください」と祝辞。
 和田廣一・全個協近畿支部長は「個人タクシーにとって一番大きなのは事前試験制度です。これが27年度の7月にありますが、これから皆様の協力を得て、事前試験制度を受ける形を増やしていただいて神戸個人タクシー事業協同組合の中で何人も準備していただきたい。適正化、活性化、特に個人タクシーの場合は活性化に力を入れて、その中でも観光、特に大阪、神戸、兵庫というのは観光地の宝庫ですので、みなさんがこれからきちっとやっていただいて、やはり個人タクシーは違うんだなという認識を皆さんに持っていただくことをお願いいたします」と挨拶。
 総代会は全議案を原案通り承認した。