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兵庫タクシー協会 平成27年度6月通常総会 新副会長に平尾氏
 兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)は6月29日、生田神社会館で平成27年度6月通常総会を開き、平成26年度事業報告、同財務諸表(決算)、公益目的支出計画を審議、原案どおり承認した。理事の一部辞任と補充選任については、
 石川榮男(阪急タクシー)、宮本和男(阪神タクシー)、中川周光(国際興業大阪)、杉本奈良雄(御影第一)、の4氏が人事異動により退任、鈴木雅司(阪急タクシー社長)、原田大(阪神タクシー社長)、河村山(国際興業大阪取締役)、青木勝利(御影第一社長)、の4氏を後任の理事に選任した。
 
 なお兵タ協副会長の石川氏の退任に伴い、先の6月定例理事会で吉川会長は後任に平尾文一氏(神戸相互タクシー社長)を指名、承認されている。
 
 一般会計決算は、事業収入6千786万8千円、同支出6千390万7千円、次期繰越は前期繰越と合わせて3千703万円となった。公益目的支出計画は、公益目的財産額を確定し、実施計画を兵庫県に報告、前期、今期で計8千119万9千183円を支出、当初計画どおり2年で残額0円となり本年3月で完了となった。
 
 総会冒頭挨拶で吉川会長は「タクシー事業の現状についてですが、総需要の減少と、タクシー車両の供給過剰、乗務員の高齢化と乗務員不足、乗務員の低賃金と大変な状況にあります。業界存続のためにも新たに若い世代が乗務員で生計を立てうる業界にしなくてはなりません。利用者の様々な要望、ご意見に沿った公共交通機関として安心安全な輸送に徹して、タクシーの新たな需要開拓と収益の増加へ向けて取り組んでいかなければならないと思っております。
 
 特別措置法についてですが、タクシーの地域公共交通として重要な役割を担っていること、また地域の状況に応じて、地域の輸送需要に対してタクシーの機能を十分に発揮できることが重要であると考えております。このことから、タクシーの特定地域および準特定地域の指定が行われているところです。特別措置法は、この指定によりタクシー事業の適正化および活性化を推進し、地域交通の健全な発展に寄与することを目的としています。
 
 兵庫県では、準特定地域は神戸市交通圏、姫路・西播交通圏、東播交通圏が指定されています。このうち神戸市交通圏は特定地域に合意がなされ、運輸審議会において審議が行われているところですが、7月上旬に公聴会が行われます。その後に運輸審議会に答申され、指定がなされる方向で進んでおります。公聴会の開催についてですが、今までやったことがございませんので、特定地域指定の合意は地域協議会の全構成員の賛同をいただいているという主張を貫きたいと思っています。
  
 ここで特定地域の指定がなされた後の取り組みについて述べます。まずは活性化の取り組みをしなければなりません。特定地域の策定には全国で実施されている活性化の取り組みをモデルとしてやっていきたいと思います。マタニティタクシー、子育て支援タクシー、UDタクシーの導入促進、観光タクシー、定額タクシーの運行、スマートフォンによる配車サービスの導入等があります。また、初乗り距離短縮運賃の導入なども考えております。若年乗務員の採用拡大、女性乗務員の積極採用、住民のニーズを把握しそれに基づく取り組み等について、関係者と共に時間はかかりますが取り組んでいきたいと思います。また、タクシー運転手の法令遵守の徹底とお客様への更なるサービスについても取り組んでいかなければならないと思っております。
 
 次に、需給力の削減について、次の3点をもって取り組まなければなりません。まず一つ、供給力の削減にあたっては、各事業者が今までに需給調整規制廃止後の取り組みも考慮に入れなければなりません。二番目は、各利用者の地域における需要、供給の違いがあると思います。もう一点ですが、供給過剰の削減にあたっては期間限定による減車の制度化をやらなければなりません。
 
 特別措置法では公定幅運賃の範囲が指定されましたが、神戸市域交通圏では下限を下回る事業者が存在しています。これに対し公定幅に収まるよう強く要望していきたいと思います。
 
 最後になりましたが、シェアリングエコノミーの成長を促す法的環境整備の名目の下、白タク行為を合法化すべき道路運送法の改正について要望しています。この要望は、公共交通機関であるタクシー事業の根幹に関わるものだと思っております。業界一致団結して取り組んでいかなければならないと思っております」と述べて、事業適正化・活性化への協力を求めるとともに、タクシー事業の蘇生を訴えた。