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タクシー乗務員接客コンテスト 優勝は垣内氏(阪神タクシー)
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)は11月18日、神戸市中央区の生田神社会館で9回目となる「タクシー乗務員接客コンテスト」を開催した。今年は神戸・姫路の両予選会を勝ち抜いた12名の乗務員が出場、日頃の腕を競った。

最優秀賞(兵庫県知事賞・神戸運輸監理部長賞)には垣内義弘氏(阪神タクシー、49歳、乗務歴3年5カ月)が輝き。優秀賞(ひょうごツーリズム協会理事長賞)は、高木秀和氏(阪急タクシー、39歳、同5年5カ月)、山田真理子(スターハイヤー、44歳、同1年)の両氏が、また特別賞(兵庫県タクシー協会長賞)に大原健一郎(神戸相互タクシー、54歳、同1年5ヶ月)、加藤幸一(かもめタクシー、46歳、同5年11カ月)、西川忠芳(神戸相互タクシー、50歳、1年)の3氏がそれぞれ受賞、審査委員長の大塚啓次・兵庫陸運部長、池田典孝・兵庫県警察本部交通部交通企画課調査官、水口典久・兵庫県産業労働部観光監、松森章子・ひょうごツーリズム協会専務理事ら審査委員から各賞が手渡された。

最優秀賞を受賞した垣内氏は「2年前にも参加しましたが、他の参加者の方々のレベルが上がっていたため、今回の方が緊張しました。さらに、阪神タクシー三連覇への期待から来るプレッシャーも大きく、このような中で優勝できたのは大変うれしい」と喜びの弁。

女性での優秀賞受賞となった山田氏は「タクシー業界は女性にとって働きやすい職場であるとはまだまだ言えません。私がこの賞を受賞したことで、女性にとっても働きやすい職場になるように、模範になるべく今後とも頑張って参ります」と決意を語った。特別賞の大原氏らも「さらに上を目指して日々精進したい」と受賞の弁。

コンテスト開始にあたり、吉川会長は「タクシー・バスの輸送人員は年々減っている。その中でもタクシーは特に減っています。これは即ち輸送回数が減っていることも意味しています。タクシーは、鉄道やバスと違って会話なくして成り立たちません。会話の中に温もりが有り、お客様と意思が通じる―そんな会話をお客様としていただきたい。それがタクシーの接客です。また、観光立国が言われていますが、他の地域からお越しになったとき、その地域で最初に接するのがタクシーの乗務員である場合は多いです。タクシーの乗務員がその地域の第一印象を形成してしまいます」と接客コンテストの意義を訴えた。

大塚部長は来賓あいさつで「行政でも接客の良し悪しが問われることは多々あります。行政関係者として、今日は接客について勉強して、行政のほうに活かして参りたいと考えております。タクシーはドアtoドアできめ細やかなサービスを提供しています。特に、高齢者・障害者の移動機関として重要な役割を果たしています。他の公共交通機関よりもタクシーはサービス業の色合いが強いと考えています。コンテストの成果を利用者に提案して頂き、兵庫県下の(タクシーサービスの)グレードアップに更に努めてほしいです」と業界全体のレベルアップに期待を込めた。

大会は、1.自己紹介(身だしなみ、話し方等)2.ロールプレイングで内容は、兵庫県のピッコロ劇団の3氏が利用者を演じて、は高齢者、車イス利用者、視覚障害者、酔っ払いサラリーマン、料金に不服等を設定、行き先確認、料金収受の正確性、降車時の対応など全体の接遇を審査した。

講評で水口典久審査委員(兵庫県産業労働部観光監)は「今回は審査員として初めて参加しましたが、接客のあり方について学ぶところがたくさんありました。高齢化社会において、タクシーの重要性はますます高まっていきます。今後とも接客サービスの向上に努めていただきますよう、よろしくお願いします」また、松森審査委員(ひょうごツーリズム協会専務理事)も「兵庫の観光にとっても心強い」と結んだ。