自動車ニュース
自動運転の法的責任についての報告書
一般社団法人日本損害保険協会(SONPO)は6月9日、自動運転の法的課題について報告書を作成したことを発表しました。

レベル3までの自動運転については、現行法に基づく損害賠償責任の考え方を適用可能としています。現行法における損害賠償責任では、対人事故は自動車損害賠償保障法による運航併用車責任が問われ、対物事故は民法による過失責任が問われます。これを自動運転にも適用できると今回の報告にあります。

レベル4の自動運転は、損害賠償責任を従来の自動車とは別のものとして捉えています。レベル4とはすべての操作をシステムが行い、ドライバーが全く関与しません。自動車の安全基準、利用者の義務、免許制度、刑事責任のあり方などを見直し、国際的な議論の動向、社会受容性等を踏まえ、自動車に関連する法令等を抜本的に見直したうえで、損害賠償責任のあり方を検討する必要があると報告しています。

その他の課題として、データの保存や事故原因の分析体制の構築、サイバー攻撃による事故の可能性、レベル4における救済すべき被害者の範囲などを挙げています。