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総合安全プラン2009研修会─兵庫県バス協会
兵庫県バス協会(長尾真会長)は12日、兵庫県農業共済会館で「平成28年度総合安全プラン2009研修会」を、講師に明谷優輝・兵庫県警交通企画巡査部長、大谷剛・神戸運輸監理部兵庫陸運部整備部門陸運技術専門官を迎え開催した。

主催者挨拶で長尾会長は「全国のバスが第一当事者となった事故は10%減少したものの、死者数は減少なしです。飲酒運転、水際も含め多数発生している。一層の点呼と健康管理を願うところです。さて本年9月末の国会で道運法が改正の予定です。内容は悪質なバス事業者の市場からの退出で、罰金は従来の100万円から最高1億円に、経営者には懲役刑も科せられ、貸切の全ての事業者は5年ごとの更新制、さらに民間委託による有料の監査制度も導入されそうです。厳しい条件下で適正な運営ができればと考えるところです。貸切の運賃も違法隠しの手数料等には、本省に通報窓口が設置される。通報から監査に直ちに入るようです。こうしたことから、今後貸切業者は増えないと思われる。一方、需要はインバウンドで売り手市場となり、安売りの必要なしと見られる。ここで明るい話題をひとつ申し上げると、今年度から兵庫県の支援で「バス旅ひょうご」の新たな商品がつくられた。路線バスとコミュニティーバスを交えたバスの旅で成功に導き路線バスの活性化につなげたい。大いにPRと販促に努めてください」と。

研修は明谷氏が「最近の交通情報について」と題して講演して「本年9月11日現在、人身1万8千998件、負傷者2万3千317人、死者95人と全国ワースト7位。死者の半数が65歳以上の高齢者。高齢者は道路の真ん中を歩き、水平視野も低下する。乱横断をするのでこうした行動に注意が必要。事故多発時間帯は、午後4時〜8時が最高で、早めのライト点灯と、ハイビーム走行が良い。バス特有の事故は、車内事故で発信・停車時。前方・後方の通行、死角の関係による左側やバックのモニターも1秒間くらい経ってから作動するので注意。アンダーミラーの確認も」と。また「ドラレコによる検討会もグループで検討する方が良い。同乗指導、危険予知訓練、実車教育を願いたい」と述べて改正道交法を説明したあと「交通ルールは、識るだけでなく実践してこそルール」と強調した。

大谷氏は「軽井沢スキーバス事故を踏まえた事故防止」と題して講演、同事故対策検討委員会が6月3日にまとめた総合対策の概要に基き、貸切バスの安全確保の徹底、同再徹底、シートベルトの着用徹底、運転技能の指導徹底について述べた。貸切バスの構造的な問題として「自動車運送業(12万事業所)に対する監査件数は1万6千19件で、この10年で2倍、うち貸切バス(4千477業者)に対する監査件数は1千798件と10年で3.5倍に増加している。バス乗務員の高齢化、健康起因の事故も増加している。今回の事故を踏まえ、事業参入時の安全確保チェック、参入後のチェック強化、運転技術のチェック強化、旅行業者を含めた安全確保強化、ハード面で安全対策強化がある」とした。

その他事業バスの車両管理や、旅客自動車運送業運輸規則の一部改正についても説明した。