自動車ニュース
警察本部交通部長 春の交通安全メッセージ
「安全・安心・快適な交通社会」を目指して 〜春の全国交通安全運動〜
兵庫県警察本部交通部長 - 松元 美智久

自動車関係業界の皆様方には、平素より交通安全対策をはじめ、警察業務の各般にわたりまして格別のご協力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。

さて、兵庫県内の交通事故情勢でありますが、本年2月末現在の交通事故死者数は26人 (昨年同期比−1人)と減少傾向を示しているものの、全国で見ればワーストで3位で、更には3月に入ってからも歩行者が関係する交通死亡事故が多発しており、これから人の移動が多くなる春の行楽期を迎えて、交通事故の増加が懸念されるところであります。

このような状況下、春の全国交通安全運動が4月6日から15日までの10日間実施されます。

本運動では、次代を担う子供と、交通事故死者数の半数以上を占める高齢者を社会全体で交通事故から守るため、「子供と高齢者の交通事故防止」を運動の基本とし、運動の重点を、

(1)歩行中・自転車乗用中の交通事故防止
(自転車については、特に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」及び自転車安全利用五則の周知徹底)

(2)後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

(3)飲酒運転の根絶

(4)夕暮れ時の交通事故防止としております。

県警察といたしましては、本運動を一つの契機として県民の皆様に交通安全意識を高めていただき、ドライバーの皆様には子供や高齢者の視線に立った「気配り、目配り」と、思いやりを持った優しい運転に心掛けていただくよう呼びかけてまいります。

重点の1点目の歩行中の交通事故防止に関しましては、夕暮れ時から夜間における道路横断中の交通死亡事故が多くを占めていることから、視認性の高い明るい服装や夜光反射材を着用するように呼びかけてまいります。

また、自転車乗用中の交通事故防止に関しましては、自転車乗用中の事故により死傷した方のうち、約9割に何らかの交通法令違反が認められている状況から、「自転車安全利用五則」を活用したルールとマナーの周知徹底や、悪質・危険な自転車利用者に対する指導取締り、道路管理者との連携による自転車レーンなどの通行環境の整備を推進してまいります。

重点の2点目のシートベルト、チャイルドシートの着用につきましては、昨年、自動車乗車中の交通事故死者のうち半数以上がシートベルト非着用で、そのうち約8割の方はシートベルトを着用していれば、死亡に至らなかったと推測されておりますことから、全ての座席におけるシートベルト、チャイルドシートの着用率向上に向けた啓発活動と指導取締りを強化してまいります。

重点の3点目の飲酒運転の根絶につきましては、昨年、飲酒運転による人身事故は、全国でワースト6位となる169件と、飲酒が絡む交通事故が後を絶たないことから、取締りを一層強化するとともに、ハンドルキーパー運動や広報啓発活動の推進を通じて、皆様とともに飲酒運転の追放気運を高めてまいります。

重点の4点目となる夕暮れ時の交通事故防止につきましては、退社や帰宅、買い物などで交通が錯綜し、視認性が低下する薄暮時間帯に多くの交通事故が発生しておりますことから、ドライバーの皆様に対しては、自車の存在を周囲に知らせるとともに、早期に歩行者や自転車が発見できるための早めのライト点灯と適切なハイビームの活用を呼びかけてまいります。

皆様方におかれましては、現下の交通情勢と本運動の趣旨をご理解いただき、職場や地域における交通安全の推進に、なお一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。