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平成29年度第2回公共交通勉強会
兵庫県県土整備部県土企画局交通政策課は11月21日、平成29年度第2回公共交通勉強会を開催した。「乗ってもらえる、乗りたいと思える公共交通に向けて」をテーマとし、地域公共交通の基礎知識習得、行政と交通事業者の相互連携と協働を目指し、県や市町の行政関係の他、鉄道・バス・タクシーなどの事業者を中心とし約90名が参加した。

まず筑波大学大学院・システム情報工学研究科・谷口守氏により「利用される公共交通を考える」との主題で講演が行われた。公共交通を主軸に都市を密にする「コンパクトシティ」について語った。利用される公共交通の条件として「(1)頻度、(2)ネットワーク、(3)価格」の3つを挙げ、ドイツ・カールスルーエの事例などを紹介しながら、公共交通とまちづくりをセットにして考える視点が強調された。「公共交通単体で赤字・黒字を考えない」こと、「『まち』全体を黒字にする」ことの重要性などについても説かれた。

つづいて、日立市・都市交通部・新交通推進課長・佐藤祐一氏が「ひたちBRTの概要について」講演し、廃線になった日立鉄道の跡地を利用した、ひたちBRT導入事業について詳細に語った。専用道路の整備や、導入した運行管理システムなどの全体計画概要について説明を行った。そのほか、地域住民の参加するサポーターズクラブなど地域活性化への取り組みについても紹介し、「ひたちBRTまちづくり計画」によって沿線地域の活性化を図っていく点が強調された。

最後に明知鉄道株式会社・代表取締役専務・丸山朝夫氏から「ヘルシートレイン(寒天列車)運行開始から30年」と題した講演がなされた。岐阜県恵那市を起点とした明知鉄道の魅力や歴史について語り、昭和62年に開始した「ヘルシートレイン(寒天列車)」をはじめとした、沿線の特産品を提供する数々の料理列車が紹介された。2027年リニア中央新幹線の開通に合わせ、C12蒸気機関車を走らせるという長期的な目標についても語られた。