自動車ニュース
今秋から大阪でサービス開始ーDiDiとSB、合弁会社設立
中国の滴滴出行(以下DiDi )とソフトバンク株式会社(以下ソフトバンク)は、7月19日、タクシー配車サービスを提供する合弁会社を設立すると発表した。5.5億人のユーザーを持つ世界最大級の交通プラットフォームであるDiDiはソフトバンクと連携して、これまで培ってきたAIとデータ分析技術を活用しながら、全てのタクシー事業者が利用できる高効率の配車サービスを提供するという。

DiDiの総裁であるJean Liu(柳青)氏は、「日本に来るたび、ドライバーはみんなフレンドリーと感じる」と述べ、日本のタクシーの高いサービス性を評価している。しかし、世界第二位を誇る1.5兆円の市場規模は少しずつ縮小しており、実車率が他国と比べて低いなどの課題を抱えている。さらに、増加を続ける訪日観光客への対応も迫られている。これらの課題を、ソフトバンクの常務執行役員でDiDiモビリティジャパンの取締役 菅野圭吾氏は「さらなる拡大の余地」と捉え、「中国でタクシー事業者と共に成長してきたDiDiの経験を生かして、日本でも同じようにWin-Winの関係を築き、タクシー事業者とともに成長し、事業を拡大していきたい」と語った。現状42%にとどまる実車率を、DiDiの導入により中国並みの水準である60%まで高めていきたい考えだ。

本サービスは、秋から大阪で実証実験を開始し、京都・福岡・沖縄・東京へ順次拡大する計画だ。参加するタクシー事業者には、ハードウェア・アプリ・コンソールを無償で提供する。今回の合弁事業の目的について、ソフトバンク株式会社 代表取締役 宮内謙氏は「DiDiの卓越した技術革新力とソフトバンクの最先端の通信インフラを含む強固な事業基盤を融合させること」と述べた。