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運輸安全マネジメントシンポジウム2019開催―近畿運輸局 (2/2)
次に、「運送事業におけるドライバー採用と定着推進のポイント」と題して宇佐川邦子氏(株式会社リクルートジョブズ ジョブズリサーチセンター長)が講演を行った。求人領域の観点から昨今の採用事情を「年齢を構成する比率の大幅な変化により労働人口が減少している。日本全国どこへ行っても有効求人倍率は高く、人手不足の状態」と述べた。ドライバーの採用面での現状については、「若者のクルマ離れが加速している。公的に裏付けられた労働環境のデータによってイメージが悪化しており、男女ともにドライバーという職種に対して抵抗がある。また、中途退職によって異業種へ人を放さないように、定着化に向けての業種魅力化も必要。直接感謝される仕事、なくなることがない仕事という良いイメージを押し出すべき」と人材不足の原因となっている課題を指摘した。さらに若者の採用は人口の面でも数に限界があることから、宇佐川氏は潜在的労働力がある女性や高齢者の雇用促進を提唱した。

2部では「運輸安全マネジメントの取組効果と課題について」をテーマにパネルディスカッションが行われた。コーディネーターに木村貴彦氏(関西福祉科学大学 健康福祉学部 健康化学科 教授)を迎え、アドバイザーに木下氏、パネリストに長谷川真一氏(山陽バス株式会社 専務取締役)、松永寛子氏(敷島交通株式会社 代表取締役社長)、谷昇生氏(谷正運輸株式会社 代表取締役社長)が登壇し、議論を交わした。