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基本運賃に甘んじるべからず−兵ト協輸送秩序確立委員会 (2/2)
  溝口委員長はトラックビジョン検討員会について「景気低迷の中、われわれトラック事業者はコンプライアンス確立及び環境対策に必死に取組み、踏ん張っています。このような現状を配慮したビジョンが策定されることを強く願っております」と述べ、さらに同ビジョンに注目するように呼びかけた。

  平成22年度の活動計画の審議の中で、吉田勝一委員は「輸送秩序確立委員会の事業計画に毎年、荷主企業に対する適正運賃について盛り込まれているが、具体的な方針を提示されたことがない」と批判した。それに対し、全ト協の輸送秩序に係る特別小委員会に出席している亀田昌廣担当副会長は「小委員会でも毎回適正運賃について議題に上り、『適正運賃とはなんであるか』ということを考えます。
  また運賃の集計を行っています。その結果を見て担当の野尻俊明・流通経済大学法学部教授が、この運賃でないとトラックドライバーは働けませんというタリフの作成を行ってくださることを期待しています」と東京での動きを紹介した。
  また、藤本米造副委員長は「基本運賃が出してもらえないから、安全が守れないという考え方に甘んじているのではないか」と発言した。
  さらに溝口委員長は、限られた条件の中で何かできないのかという議論と行政に対して要望行うという2方向で委員会での議論を行っていかないといけないとまとめた。
  

  委員会後、時間を割き出席する委員に少しでも情報提供ができればとの配慮から安全マネジメントについての講演会が開かれた。自動車事故対策機構兵庫支所の企画・安全マネジメント担当の三ツ木康智氏が江戸時代に既にPDCAサイクルを実践していた米沢藩の第9藩士の上杉鷹山から安全マネジメントを学ぶことを薦めるなど、ユニークな講演を行った。