自動車ニュース
苦境下の挑戦―京阪バス田中均社長(1)
 スルッとKANSAI協議会が導入したPiTaPa(後払い式ICカード)のサービス拡大やコミュニティバスの運行を積極的に行っている京阪バスの田中均社長に経営戦略や考えを伺った。
 
 ▽バス事業は年々、厳しくなっています。
 ▼バスの利用が減る中で、路線バスは特に厳しい状況下にあります。京阪バスの運行する路線の中では守口南部地区で路線利用者の減少が著しく、 バス路線の廃止、減便を行いました。
 利用者が減少している原因を考えてみると郊外の団地などで居住者の高齢化が進み、世代交代が進んでいることが挙げられます。スプロール現象が進む中で、駅と離れている場所をどうつなぐかということと元気でない高齢者の方々がバスに乗ってもらうような仕組み作りを行政が担保してもらえないかと期待しています。
 
 ▽松井山手から京都駅へ向かう直行バス(直Q京都号)が好評だそうですね。
 ▼平成21年11月1日に開業し、第二京阪、阪神高速京都線を経由して最短28分(運賃500円)で両区間を結びます。女性の方々の利用が多く、女性優先席も設けています。女性やお年寄りに優しいサービスが提供できるよう、試行錯誤を繰り返しています。
 (参考)直Q京都号1日あたり輸送人員…H22.7月分データ
  平 日1日あたり  916人
  土休日1日あたり  781人

 
 ▽今後のバス路線の形も変わるのでしょうね。
 ▼京阪バスは1〜2時間で目的地に到着する短距離路線に力を入れています。その中でも一般道ではなく高速道路を活用することが重要だと考えています。
 
 
 (略歴)田中均(たなか・ひとし)京阪バス社長 1975(昭和50)  年、神戸大学法学部卒業。同年4月、京阪電気鉄道(株)入社。2001(平成13)年、江若交通(株)取締役社長。07(同19)年6月27日、京阪電気鉄道執行役員(現在)、京阪バス(株)取締役社長(現在)。09(同21)年、江若交通(株)取締役