自動車ニュース
苦境下の挑戦―京阪バス田中均社長(2)
 スルッとKANSAI協議会が導入したPiTaPa(後払い式ICカード)のサービス拡大やコミュニティバスの運行を積極的に行っている京阪バスの田中均社長に経営戦略や考えを伺った。(続き)

 ―補助金の行方も気になります。
 現在、国が交付するバスに関わる補助金は約200億円ですが、政府・与党が成立を目指している交通基本法の施行後は補助金を2000億円にという声が出ていると聞きます。

 ―デフレが続いています。
 バス需要が減少する中、運賃の値上げもできない状況下で、今後はバス路線の整理・縮小も考えざるを得ないかもしれません。

 ―バス事業の今後の見通しが懸念されています。
 京阪バスでは高速道路を使った短距離高速バス路線が今後の鍵だと考えています。新設される高速道路に合わせたバス路線の仕組みを考えているところです。

 ―大学と駅を結ぶバス路線が好評だそうですね。
 平成20年4月から京阪バスの子会社である京阪宇治バスと京阪京都交通が京阪中書島駅と立命館大学びわこ草津キャンパスを結ぶバス路線を開設しました。駅から離れた場所を結び、乗り継ぎの少ない利便性をPRしていく。ヒントは大学にあるのではないでしょうか。

 (略歴)田中均(たなか・ひとし)京阪バス社長 昭和50年3月、神戸大学法学部卒業。同年4月、京阪電気鉄道(株)入社。平成13年6月、江若交通(株)取締役社長。平成19年6月27日、京阪電気鉄道執行役員(現在)、京阪バス(株)取締役社長(現在)。平成21年6月、江若交通(株)取締役