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天の空舞う 衛星「みちびき」―日本版GPSとなるか
 位置情報の高精度化(GPS)を目指す準天頂衛星「みちびき」を載せたH2Aロケット18号機が9月11日、午後8時17分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。約28分後に分離し、打ち上げに成功した。ロケット打ち上げ時の天候は晴れ、26℃、西南西の風(3.7m/s)。

 「みちびき」は米国の全地球測位システム(GPS)を補完し、高層ビルの谷間や山間部などで使用できることを目指し、開発され、日本の真上を通る軌道からGPSを送る。測位の精度は約1メートルと約3センチ、本体の高さは6.2mで重さは4トン。総費用は735億円で寿命は最低10年。太陽電池パネルを広げた状態の長さは25.3メートル。総務、国土交通、文部科学、経済産業の4省が共同で開発した。今後、年末にカーナビなどへの実証実験を行う予定。実験の際に財団法人衛星測位利用促進センターが専用受信機を貸し出す。

 当初、「みちびき」は官民共同での開発が検討されたが、調整が難航した経緯がある。4省が共同で開発に臨んだことに対して、縦割り行政の弊害を指摘する声もある。ただ、衛星1機が日本の上空にとどまれるのは約8時間で、24時間の体制で臨むには更に3機必要だとされ、導入には約700億円が必要だという。