自動車ニュース
「地域とともに発展」―阪急バス小津正弘社長
 ―兵庫県西宮市の南北を結ぶさくらやまなみバスが好評だそうですね。
 ・地元の方々からは今後も運行の継続を要望する声も多く、例えば西宮市北部の山口町では、住民の方々がみんなで乗ろうと積極的にバス利用を呼びかけようと行動を起こされていると耳にします。地元の方々の熱意が伝わってきます。平成27年までは運行が決まっていますが、平成28年度以降は利用状況などを勘案し、平成24年度中に継続運行されるかが決まる予定だと西宮市から聞いています。

 (さくらやまなみバス)平成21年4月運行開始。西宮市南部と西宮市北部山口町・有馬温泉間、約26キロを結ぶ。
 
 ―各地方で地域公共交通会議が立ちあがっています。
 ・国、事業者、地域、住民が一体となって取り組んで行かなければならないと感じています。住民の声が地方行政に伝わらない、行政の思いが住民に伝わらないという問題があります。伝わらないと言うことを考えても、色々な意味があるとは思いますが、各々が連携を取れていないという気がします。
 
 ―交通基本法の中の国民に等しく移動する権利を認める移動権については賛否両論があります。
 ・国民の足としては大変、良い話だと思います。ただ、基本概念を作っても計画や組織、財源、意思決定が重要で、財源と人の問題を何とかして欲しいと機会があるごとに言っています。地方の場合、地域の現状を理解し、計画を進めていこうという人材が少ないという問題を抱えています。移動権を保障できる仕組みをどうやって担保していくか、環境作りが重要だと思っています。また、補助金についても過疎地に限定するのではなく、全体の問題として考えていく必要があると感じています。
 
 ―ひととまちに優しい阪急バスという社内理念を掲げておられます。
 ・地域と共同歩調で発展をしていくということが基本だと思っています。バイオディーゼル燃料100%で走るバスなども運行しており、安全と環境面ではどこの会社にも負けないという気概で事業展開をしています。また、阪急バスでは都市間の駅と自宅を結ぶフィーダー輸送を進めていくことが重要だと捉えています。