自動車ニュース
【年頭】事故ゼロで社会と共生 政治的な活動も視座に―兵ト協 (2/2)
 国土交通省では「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」や「トラック輸送適正取引推進パートナー会議」において、今後のトラック輸送事業のための方策や荷主企業とトラック運送事業者とのより良い関係の構築についての検討が続けられており、今年中には結論が出され、国において何らかの措置が図られるものと考えております。
 
 一方、私どもトラック運送事業者としましては、我が国の産業活動や国民のくらしを支えるなど、国内物流に不可欠な公的基幹産業であることを自覚し、トラック業界の課題である社会と共生し、その役割を果たしていくことが大切であり、諸課題の解決に向けて、昨年に引き続き次の対策を推進して参ります。

 第一に、適正化事業の推進であります。
 安全で良質な輸送サービスは、社会的要請でもあり、私どもが常に守らなければならない使命でもあります。
この安全で良質な輸送サービスを行うことにより、荷主をはじめ消費者からの信頼を得、私どもトラック運送事業者の社会的地位を高めるものです。
 
 しかしながら、厳しい経営環境が余儀なくされる中、過労運転など、不適切な事業者も見られます。
 
 このようなことから、昨年に引き続き、事業者に対する巡回指導を積極的に行うとともに、運輸安全マネジメントの積極的な導入、「安全性優良事業所認定制度(Gマーク)」の取得を啓発し、顧客に提供する輸送サービスの向上を図り、荷主や消費者から信頼される業界づくりを目指して参りたいと考えております。

 第二に、環境対策です。
 近年、環境対策は人類共通の重大かつ喫緊の課題であり、私どもトラック運送業界にとりましても、環境問題は、社会と共生していく上でも最も重要な課題の一つであります。
 この環境対策に関連する諸課題について、積極的に取り組んで参りたいと考えています。
 特に、地球温暖化対策としての、CO2削減については、自動車NOx・PM法及び自治体条例への対応、CNG車などの低公害車や最新排ガス規制適合車の導入促進、エコ・ドライブやアイドリング・ストップの励行のほか、環境改善のための効果的な施策を積極的に推進するとともに、関係機関と連携しながら適切な措置を講じて参ります。また、グリーン経営認証制度への取り組みを更に推進して参ります。

 第三は、安全対策です。
 交通事故や労働災害の防止は、トラック運送業界に課せられた最も重要な使命の一つであり、特に交通事故は、人的・物的両面での損害をもたらすばかりでなく、深刻な社会問題ともなっています。これら、交通事故や労働災害を誘発する原因は、過労などの就労条件の悪化によるもので、勤務時間等に関する基準の遵守や速度超過・過積載運行の排除が必須であります。
 今年4月からは飲酒運転撲滅のために、アルコールチェッカーによる検査が義務づけられるところでもあります。
 
 私どもトラック運送業界挙げて、交通事故並びに労働災害防止に向けた取り組みを積極的に行い、「事故ゼロ」を目指すことが、社会と共生していくために重要かつ最善の策であると確信しております。 
 
 私どもトラック運送業界としましては、安全、環境、労働力の確保など、現在、業界が抱える多くの重要な課題に着実に取り組み、将来にわたるトラック運送業界の発展のため、課題を一つずつ確実に解決して参りたいと存じます。
 
 その他にも、私どもの業界は様々な課題を抱えており、更なる政治的な働きかけも視座に据えて、課題の解決に向けた行動も起こして参りたいと考えています。
 
 つきましては、会員の皆様をはじめ、関係各位の一層のご支援、ご指導とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 本年は「卯=兎」。「兎の上り坂」という諺にもありますように、景気の回復がとんとん拍子に進んでいくことを期待しますとともに、皆々様のご健康、ご多幸を心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます