自動車ニュース
【年頭所感】(社)日本自動車機械工具協会会長 中谷良平 (1/2)
新年あけましておめでとうございます。
 平成23年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申しあげます。

 2008年に起きたリーマン・ブラザーズの倒産は100年に一度と言われるような厳しい経済環境に世界経済を落し入れましたが、世界各国が協調して対応したことにより緩やかながら回復してまいりました。しかし、昨年発生したギリシャの財政危機によりユーロ諸国は新たなる火種を抱え込み予断を許さない状況におかれております。

 我国の国内経済は、政府の補助金政策により、エコカー並びにエコ家電の販売が活性化し、経済の回復への道筋を歩みはじめました。更に猛暑による空調機器の需要が経済回復に拍車をかけましたが、補助金政策が終了したあとは販売の動向に陰りが生じております。日本の経済成長のためには、規制緩和、法人税の引下げ等、政府の積極的政策展開が期待されています。

 国内の自動車市場が低迷している中で、メーカー各社は環境対応車の開発に力を注いでおります。これまで環境対応車の中心的な存在であったハイブリッド車に対抗する形で、昨年からは電気自動車が本格的に市場へ参入しましたが、このように自動車の世界は急速に変革が進んでおります。

一方で、自動車使用者の節約志向と保有台数が頭打ちになっていることから、自動車整備業界の総売上は減少傾向にあり、今後も少子高齢化による運転免許人口の減少とそれにともなう保有台数の伸び悩みから、業界にとっては厳しい経営環境が続くものと思われます。

 こうした整備業界の状況は自動車機械工具の販売にも影響を与えており、当協会会員が平成20年度及び平成21年度に販売した自動車機械工具の売上の総額は、どちらも前年度より減少しました。

 当協会を取り巻く環境には厳しいものがありますが、本年も整備業界をはじめとする関係者のニーズにお応えするとともに、整備作業の安全確保のための広報活動等を行うこととしております。