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しわ寄せ直撃 規制緩和の功罪―貸切バス問題 (2/2)
 勧告は、貸切バス事業者が平成12年の規制緩和実施以降、平成11年の2336事業者から平成20年度の4196事業者へと約1.8倍へと増えた一方で、事故件数は平成11年の365件から20年度に413件へと増加。平成19年4月に実施した重点監査の結果、調査対象316事業者のうち、204事業者(約65%)で法令違反の事実が判明したと指摘している。
 
 総務省が貸切バスの届出運賃・料金の設定を調査した結果、実地調査した
84事業者のうち全体の76事業者(90%以上)の事業者、アンケートに回答した2629事業者のうち2417事業者(91・9%)が届出運賃を収受できていない事実が明らかになった。
 
 このうち、収受できないと回答した76事業者のうち主契約先の主導によりやむを得ず契約した事業者が45事業者。採算が確保できる場合、自ら安価な運賃で契約した事業者は20事業者。

 収受できない結果、発生した影響、支障について、回答した76事業者のうち、人件費の抑制が31事業者。車両更新時期の延長が22事業者。車両整備費の抑制が8事業者。
 
 また、大手旅行業者が低運賃を提示し、中には50%程度の金額の運賃表を作成し、貸切バス事業者に契約を求めている事例もあると指摘。届出運賃を下回る契約が常態化し、貸切バス事業者の経営を圧迫させ、結果として交代運転者の十分配置もできない状況に追い込まれているという。
 
 こういった問題について、各地方運輸局は収受状況の実態把握、監査を実施しておらず、実態把握をしていないものが6地方運輸局、収受状況の監査を実施していないものが7地方運輸局にのぼっている。
 
 また、総務省は交代運転者の乗務距離の上限値を実態に即した数値に改定することも国交省に求めている。
 
 この問題に対して、労働組合の関係者は「国交省は乗務距離の上限を
670キロと定めているが、平成19年に発生したあづみ野観光バスの死傷事故の場合も走行距離は500キロで実態に即していない」と話している。