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粛々と神協50余年を閉ず  神戸旅客自動車事業協組
 神戸旅客自動車事業協組(稲井信男代表清算人)は14日、神戸市中央区の生田神社会館で結了総会を開き、50余年の歴史を閉じた。神協の土地の売却代金全額2億余万円が先頃、売却先の神戸洗管工業(株)より入金となって、組合員には出資口数に応じて17日に最高800余万円から100余万円が還元される。

 神協は8月中旬頃まで不動産引渡しなど残務整理を行う予定。

 結了総会で稲井代表は解散に至った経緯を述べて「翻ってみると本日が神協最後の日となることを思えば万感の思いで一杯。昭和30年11月、9社で設立された神協も解散時は45社を数えた。融資事業やメーター検査など特色を生かした事業で神戸で有数の事業協組となったことは諸先輩のご苦労の賜物であり、神協の名を高めたものです。しかし昨今の不況やユーザーのチケット離れ、年金問題、タクシーを取り巻く経営環境の悪化は筆舌に尽しがたく経費削減と効率的なチケット事業を維持するため兵協とチケット統合となりました。本日神協五十数年の歴史の幕を閉じるのは断腸の思いではありますが、これも時代の流れに逆らうことが出来ずいたしかたのないことと存じます。これから我が業界は、大変な時代に揉まれるかと思いますが、各事業者には健康に留意し、益々社業発展に尽力されることを記念して最後のあいさつとします」と結んだ。

 総会修了後の懇親会あいさつで熊渕忠良・相談役は「思い起こせば初代大久保亀六理事長以来、43年間神協に参って来たが、その間色んな方にめぐりあい、先達の方々から温かい助言を頂いたが、ここに来てその助言があまり生きていないことに自分自身腹立たしく、情けないと思っている次第です。今後は新生兵協の下に集うわけですが、私としては前向きに取り組めば必ず良い明日があると信じております。最後に結了にあたり稲井理事長はじめ職員、関係者に厚くお礼を申し上げます」と述べた。

 永田孝・垂水タク会長の乾杯発声で開宴となった。