自動車ニュース
調査結果まとまり初の最低車両台数WG開催―トラックビジョン (2/2)
<有識者から>
  10両未満の経営状況は赤字も黒字もあるが平均すると赤字だ。
デフレや荷主からの圧力から機動性、安全性、経営性のバランスが悪化傾向にある。5両あたりに一つの線が見えており、10両あたりが基準となるのではないか。
  10両未満に対して自宅兼事務所で経営を行っている事業者もいるので問題ないのではないか。5両未満対策と最低車両台数の問題は引き離して議論すべきだ。小規模事業者に問題となることは、安全性の問題で、社内体制、機器の導入、教育の3つを大切にする必要がある。中小零細の状況は悪いが、割りに合わない仕事を強いられている中で、むしろ頑張っているのではないかと評価したい。
 <トラック事業者から>
  東京都トラック協会でも独自調査を行った。トラック運送会社を運営するには予備人員が必要となり、それも含めて最低10両は必要だ。IT機器の必要性で考えると20両、経営効率から考えると30両必要だと考える。
  5台の事業者の中には良い会社も多いが、傾向として悪い。その実態を国交省が把握できるのであれば問題はないが、出来ないのであるなら、選別をする必要がある。

  <労働組合から>
  小規模事業者では車齢も高く、長時間労働になりがちだ。Gマークの取得率も低く、構造的改革が必要だ。経営基盤を確立できる会社規模が必要だ。


  出席者らはアンケート結果を今回はじめて目にしたということもあり、踏み込んだ議論には至らなかった。最終的にどこで線引きするかは別途データが必要であるという結論にいたった。
  現時点で別途のデータについて国交省側は、今ある情報の中で分析をし直す予定だ。
  適正運賃収受についてのワーキンググループは4月開催が予定されており、500社に対して行われたアンケート調査の結果を踏まえて協議が行われる。「最低車両台数・適正運賃収受はともに5月に入ってから集中的に行うことになりそうだ」と国交省は話す。

最低車両台数・適正運賃収受ワーキング・グループ メンバーは以下の通り。
野尻俊明氏(流通経済大学教授、座長)、斉藤実氏(神奈川大学教授)、徳田賢二氏(専修大学教授)、秋池玲子氏(ボストンコンサルティンググループ、パートナー&マネージングディレクター)、森田富士夫氏(物流ジャーナリスト)、太田誠 氏(日本経済団体連合会産業政策本部主幹)。坂本克巳氏 (全日本トラック協会副会長 物流政策委員長、大阪府トラック協会会長)、天野 智義氏(東京都トラック協会副会長)、川島誠氏(愛知県トラック協会会長、全日本トラック協会副会長)、山浦正生氏(全日本運輸産業労働組合連合会中央執行委員長)、山口浩一氏(全国交通運輸労働組合総連合中央執行委員長。行政側から志村務氏(自動車交通局貨物課長)、小林豊氏(関東運輸局自動車交通部長)。
最低車両台数を議論する際には、行政側メンバーとして安全政策課長が加わり、経済団体、トラック事業者、組合を代表するメンバーはオブザーバーとする。
行政側から、オブザーバーとして自動車交通局長が適宜参加するものとする。