自動車ニュース
【春の交通安全】交通安全は家庭から−兵庫県警察本部交通部長
 【春の交通安全】交通安全は家庭から
今西 義高 兵庫県警察本部交通部長


 自動車関係業界の皆様方には、平素より、交通安全対策をはじめ警察業務の各般にわたりまして、深いご理解と温かいご支援を賜っておりますことに厚くお礼を申し上げます。
  3月11日に、三陸沖を震源としたマグニュチュード9という東北地方太平洋沖地震が発生しました。
 

  未曾有の巨大地震に見舞われ、被害に遭われました方々には、心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りしております。
 県警といたしましては、現在、被災地域に部隊を派遣し、阪神淡路大震災の経験を生かして行方不明者の捜索、交通規制などの支援活動を行っております。
 今後は、被災地域の復興に伴います安全と秩序維持という重要な任務につきましても引き続き支援を行ってまいります。
 

  さて、昨年の兵庫県内における交通事故情勢につきましては既にご案内のとおり、死者数が192人と一昨年より16人も増加し、平成12年以降続いておりました減少傾向が、10年ぶりに増加に転じる結果となりました。


  本年にはいりましても依然として増加傾向のまま推移し、3月末現在で死者数が48人、前年同期比プラス11人と厳しい状況にあり、特に、飲酒運転による交通事故死者数は全国で最も多い5人と、未だ飲酒運転が根絶されていない現状で、県民生活の安全を脅かす身近な不安要因の一つに変わりありません。


  また、全死者数に占める高齢者の割合が高く、今後も高齢社会がますます進展する中で、高齢者が関係する交通事故の増加が予想されます。
  こうした厳しい交通情勢の中、春の全国交通安全運動が5月11日(水)から20日(金)までの10日間実施されています。
 春の全国交通安全運動では、新入学児童に対する交通ルールの理解と交通マナーの習慣付けを図るとともに、高齢者自身の交通安全意識の高揚と高齢者に対する保護意識を醸成するため

運動の基本を
 ○子どもと高齢者の交通事故防止とし
 ○自転車の安全利用の推進(特に、自転車安全利用五則の周知徹底)
 ○全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
 ○飲酒運転の根絶
 ○夕暮れ時の早めのライト点灯の推進(5時から点灯)
を運動重点として、県民一体となった活動を積極的に展開することとしております。


 県警といたしましては、関係機関・団体の皆様方のご協力を賜りまして参加・体験・実践型の交通安全教育を推進することとしているほか、高齢者宅を個別に訪問して交通安全指導を行うなど、引き続き、高齢者の交通事故防止対策を最重点に各種施策を講じますとともに、一般運転者に対しましては、高齢者の視線に立った「気配りと、思いやりを持った優しい運転」を呼びかけております。


 また、県民一人一人が「交通事故に対する危機意識」を持ち、交通安全意識をより一層高揚させることが重要でありますことから、「交通安全は家庭から」をテーマとして、家庭における交通安全教育を重視し、子どもから高齢者に至るまで親しみやすく交通安全を家庭で話題にしていただけるよう「こいぬのあしあと」という交通安全キーワードの普及に努め、交通安全意識の高揚を図る施策を推進しているところであります。


 どうか皆様方におかれましては、現下の厳しい交通情勢をご理解いただき、「交通安全は家庭から」を合い言葉に、交通事故防止に関する話題を家庭から職域や地域へと広めていただきますとともに、事業所における交通安全指導や、自動車ユーザーなどに対しますワンポイントアドバイスの実施など地域に密着した交通安全意識の高揚に努めていただきますよう、今後もなお一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 ※自転車安全利用五則
 1 自転車は、車道が原則、歩道は例外
 2 車道は左側を通行
 3 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
 4 安全ルールを守る
  ○飲酒運転・二人乗り・
   並進の禁止
  ○夜間はライトを点灯
  ○交差点での信号遵守
   と一時停止・安全確認
 5 子どもはヘルメット
   を着用
 こ
 い=いつものみちでも
   とまる・みる・まつ
 ぬ=ぬれたみちでは
   スリップちゅうい
 の=のるときは
   ブレーキ・ライト
     だいじょうぶ
 あ=あおしんごうでも
     みぎ・ひだり
 し=シートベルトは
    カチットなるまで
 あ=あかるいふくと
     はんしゃざい
 と=「止まれ」のばしょは
  いったんとまって
     みぎ・ひだり