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さくらやまなみバス、利用客が順調に増加―西宮公共交通活性化 (2/2)
  年間輸送人員(予測値34万人)など11項目において平成22年度の予測値を達、成したためだ。会議の主な議題は平成22年度決算報告および総合事業の二次評価。
  

  西宮市の人口は増加傾向にあり約48万人で、高齢化も進んでいる。また、地形は南北に長く、中部は東六甲山系により居住地はなく、北部と南部地域に市街地が形成されている。南部には主な公共・公益施設、JR(東海道本線)、阪急(神戸線・今津線・甲陽線)、阪神(本線・武庫川線)の鉄道路線や阪急バス、阪神バスなどの公共交通機関が充実している。その一方で山口町などの北部地域は病院や公共施設に向かうにも宝塚を経由しないといけない状況で高齢者の通院や高校生の通学にも支障が出ていたため、南北を結ぶ基幹交通の確立は山口町民のかねてからの願いだった。


  平成3年に西宮北有料道路(盤滝トンネル)が開通したことをきっかけに、平成4年に山口町自治連合会が議会に南北を結ぶバス路線の確立について請願書を提出し、全快一致で承認され、平成16年に山口町より運行計画の策定が行われた。さらに平成20年2月に法定協議会が立ちあり、西宮市における公共交通の先導的事業として補助金を受け、4月にさくらやまなみバスは運行を開始した。南部と有馬温泉を結び、阪急バスが運行している。バス運行開始により、高校生は甲山高校や西宮北高校へ通う選択肢が増えた。


  協議会では住民などの自主的なさくらやまなみバスの利用促進活動として利用促進協議会の広報、ポスターの掲載、イベントの開催や2月から作業部会を開き阪急バスとイベントの開催やグッズの作成を行うことが紹介された。一方で、利用者は増えたが運賃で採算がとれていなことが課題としてあがった。

  
  また、阪急バスへのお願いとして住民代表の山口地区自治会連絡協議会の畑英隆氏は、阪急バスの運転者が運行コースを度々間違えること、バス停を通過してしまったこと、質問しても返答が返ってこなかったこと、運転があらいことが利用者の声としてあがっていることを紹介し「1年目にない批判が増えています。JRでは少し停車位置を通過するだけでもメディアに取り上げられるほど利用者は厳し目で運行を見ています。信頼は運転者から。接客、安全運転をお願いしたい」と厳しく要望した。


  さらに、西宮市健康局福祉総括室長の廣田克也氏は学生や高齢者など利用客の分析を細かく行うことを推奨し「教育や福祉の支援というように目的を明確にすれば、市民の理解を得ることができれば一般財源から予算が捻出出来るのではないでしょうか」と助言した。


  平成22年度決算は、歳入が国土交通省からの公共交通活性化・再生総合事業補助金の約千五百13万円を含む約千6百58万円。歳出が約千5百47万円で、約百11万円が翌年度へ繰り越される。