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「昭和型観光」からの脱却、「平成型」を模索―小野田金司教授 (2/2)
  小野田教授『着地型観光』というと難しく聞こえますがヨーロッパの駅前旅行総合窓口をイメージして下さい。そこではホテルの宿泊、レストラン、電車の座席の予約など旅行に行く前の予約のみならず、旅行先でも総合窓口で旅行プランを立てることが可能です。
  日本を見ると、旅行をする前に予定を決めるパッケージツアーなどの“発着型観光”が主流です。私はこれを『昭和型観光』と呼んでいます。これは高速道路の開通と共に大型高速大量時代が到来し、万博をオペレートした旅行会社によりマスツーリズムが発達したことが背景にあります。
  平成に入り旅行が多様化しましたが、旅行会社や行政に頼る観光業自体は多様化が遅れています。そこで新しく求められているのが、地域の人が観光資源を活かして作る観光商品をワンストップで扱う事業体(観光地域づくりプラットフォーム)です。神戸は昭和観光からの脱却が遅れています。山と海の魅力を合わせ持つ神戸では、旅客船、バス、タクシーを使った観光商品の確立も期待出来ます。ポスト清盛で神戸のプラットフォームが確立出来れば、成功と言えます。