自動車ニュース
APEV関西シンポジウム 120人参加し近畿のEV普及を議論 (2/2)
 EVビジネス情報部会リーダーの浜由紀氏(EVビジネス情報部会リーダー、島津製作所)が「近畿圏におけるEVビジネスネットワークについて」講演を行った。
 EVの歴史と関西における近年の取組みついて紹介しながら、EVを取り巻く産業構造が垂直統合型(3次サプライヤー→2次サプライヤー→1次サプライヤー→完成車メーカー→ディーラー・業販社)から水平分業型(車体、二次電池、駆動部品、電装部品、内外装がフラットな状況)へと変化することによって、
 これまでサプライヤーだったメーカーや異業種などのメーカーが主体的にメーカーとして市場に参入出来るようになる。その結果、近畿の蓄積された『モノづくり』技術が果たす役割は大きいと強調した。
 電気自動車の普及や活性化はこれまでコンバージョンEVが注目されていたが、コンバージョンEVの製作やガイドラインのみならず、EVを取り巻く観光・レンタカー・タクシー・充電ステーションなどとの結合が必要だと呼びかけた。
 EVコンバージョンを足がかりにすることで、新規参入した業者や地場産業支援、複数業種間のネットワーク形成などを行い、「メイドイン神戸・大阪・京都」といった地域密着型のモビリティの開発を達成させ、さらには『新規産業や地域の発展につながる』よう進めていくべきと強調した。

 続いて、地域コンソーシアム部会の鈴木高宏部会長(=長崎県産業労働部政策監・東京大学客員准教授)は「部会の概要と長崎県の事例紹介」について説明を行った。
 「地域コンソーシアム部会の第1回目を開会に先立ち開催したが、開催地が東京以外となったことに大きな意味がある。東京開催では地域の方が出席しにくく、国内を巡業しながら部会を開催していく」と地域コンソーシアム部会の意義を述べた。
 さらに長崎県五島列島で行われている長崎EV&ITSコンソーシアム(長崎エビッツ)の事例を紹介しながら「限られたコストの中では情報ネットワークの支えが大事で、様々な業種業態が入っていく必要がある。同業種が仲間を作り働きかけ、さらに異業種で得手不得手を補完し合うことが重要になる」とネットワークキングの必要性を説明した。