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「運賃を議題にして欲しい」―輸送秩序委 (2/2)
 また、野田屋運送の鳥居豊太郎氏や五代物流サービスの吉田勝一氏をはじめ3名の委員が、運賃に関連する問題点をピックアップし総務委員会に伝達することとし同委員会で運賃問題を取り上げないとする藤本新委員長に対し「環境や安全対策を行うにも適正な運賃が必要。全ての問題の根本である運賃に対してどこの委員会もタッチしないので、輸送秩序委員会で取り上げて欲しい」と厳しく訴えた。
 それに対し担当副会長の亀田昌廣氏は、JAの元請下請けを行う九州のトラック事業者が団結し、原価を割り込む運賃での仕事を断り、それをJAが談合として訴えたが、公正取引委員会が判断した結果、トラック事業者が勝訴し、運賃が上がった例を紹介し「お互い足の引っ張りあいをしないように、手をつないでルールを守る必要がある。標準運賃を作ってもいいと思うが、しかし、認可運賃であっても、実際それ以下でいく事業者はいくらでもあった」とトラック業界の体質の悪さが問題の根底にあると説明した。
 冒頭の就任のあいさつで藤本委員長は「弊社は14両と小規模です。小規模で務まるか心配もありますが、小さな事業者の声も取り上げていただく良い機会になるのではないかと思っております。私は調整型の人間だと思います。前任の溝口昭夫氏は目的を持って進められるパワータイプだったかと思います。問題が山積する今日ではパワータイプに進めていただきたいところですが、ゆっくり少しずつ着実に進め、ささやかなことでも結果を出していきたい。支部に展開し切れていない点が指摘されており、これについても対応していきたいと思います」と抱負を述べた。また、「目に見える形を残していきたい」と話し、姫路合同貨物が実践しており、乗務員の安全運行の手助けになるステッカーを作ると説明した。また、これまで所属の小委員会のみの出席となっていたものを、多くの意見を取り入れるため、3小委員会を開き、所属以外のものでも出席可能とすることも再確認した。さらに藤本委員長は「近年どのような付帯サービスを求められているのか、各社どのような取組みを行っているのか具体例を話し合って、共通テーマを協議したい」と意気込みを語っている。