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【神鉄粟生線廃線問題】地域住民で関心高まる―粟生活性化協議会
【神鉄粟生線廃線問題】

 第10回神戸電鉄粟生線協議会が10月7日に三木市立教育センターで開かれた。前向きな報告や意見が交わされ、徐々に地域住民間で存廃問題に対して関心が高まってきていることがわかった。

 シニアパスの販売や小学生や幼稚園児を対象に行われた農業体験校外学習をはじめ、10月2日に鈴蘭台開催された「神鉄トレインフェスティバル2011」では入場制限がかかるほどの来場者(2902名)があったことなど、多くの取組みで昨年度より利用者が増えてきていることなど報告があった。また、NHK杯全国高校放送コンテストで準優勝に輝いた小野高放送部のラジオドキュメント作品「線路はどこまでも続かない」を聞き、粟生線の利用活性と存続についての理解を深めた。

 7月と8月の神鉄粟生線の輸送人員は7月が55万人と対前年マイナス2.1%であったが、8月は、9月から神戸鈴蘭台高校が旧鈴蘭台西高校に一時移転し耐震補強工事を行うため、通学的定期の購入が対前年プラス10%、輸送人員は対前年プラス1.7%と増加に転じた。補強工事は1年間の予定だが、他の高校も耐震補強工事が開始する予定だ。土井勉・京都大学大学院工学研究科特定教授は「粟生線がある効果で耐震補強工事が行えた」と高く評価した。

 調査事業も進んでおり、日ごろの交通手段や「粟生線がなくなる日」を読んだ感想、通勤・通学や外出などでの利用が可能なシーンや回数などを質問項目に挙げ、9月30日に回答期日を設けたアンケート調査を実施した結果、9月末時点で2757世帯3857人分の回答が集まった。その回答者を対象に第二アンケートを11月中旬に実施する予定だ。浪越祐介・近畿運輸局企画観光部交通企画課長は「地域の活動が今まで以上に分かる活動が良くわかりました。アンケートの回収状況も1万世帯配布し、回収率20%と高く評価している」と発言した。
 
 沿線3市の市職員の利用状況の報告があり、神戸市は通勤が公共交通利用。三木市では1名の利用増で16名の通勤利用者がり、出張利用の促進のため10月から各部署に回数券の配布を開始する。小野市では3名増え6名が通勤に利用しており、小野駅前の駐車場の空きスペースを利用して22名が神戸への出張に神鉄を利用した。

 今後の協議会の活動は時間貸パーキングや駐車場適地の検討などのハード事業や粟生線活性化シンポジウムの開催などを予定している。

 終りに来年度から活性化・再生総合事業助成がなくなる同協議会の開催について意見交換を行った。「活性化再生法」に基づく法定協議会として継続させることも可能だ。地元代表の委員は協議会の存続を求めた。土井氏は「乗らないが存続して欲しいといった意見は勝手な発言ではないか。存続して欲しいなら、月1回乗る努力をするようにしてほしい」と経済学の理論を交えながら訴えた。
 小林清豪小野市副市長は「これまでイベントを数打ったが、市民の意識改革を中心に活動を行いたい。神鉄サポーターを作るなど、方向性を見直したい」と意気込みを語った。