自動車ニュース
【インタビュー】マイクロ・ビークル・ラボ 松尾 博代表取締役 (1/2)
【EV】日本のセルメーカーと電子回路メーカーを用いて大型リチウムイオン電池によるカスタム電源(電源・容量に応じた電池モジュールの設計・製作)や保護回路、充電器の開発を進め新商品の開発支援を行うマイクロ・ビークル・ラボ(株)(大阪市西区)の松尾博代表取締役に事業戦略や取り組みについて話を聞いた。

 ―きっかけは?
 「マイクロ・ビークルの街を作るためのコーディネートをやっていきたい」
 京都工芸繊維大学の無機材料工学研究科を卒業後に宇部興産で勤務し、大阪ガスの受託研究を行う京都のKRI(関西新技術研究所)で燃料電池の研究に携わりました。
 時代の影響を受け、燃料電池を自動車に載せるようになり、加速、減速など付加変動に追随させるために電池の開発を行うようになりました。
 高齢化社会と環境を考えると、小型の電動がまちに出てきてもいいのではという発想から「マイクロ・ビークルのまち構想」が出来ました。
 ちょうどKRIでも大型電池を開発し事業化しようという動きになりましたが、電池を事業化することは困難を極めました。 
 結局、KRIは受託研究に専念することとになり、事業化を担当した私は「やめてもらったら困る」と取引先から言われ、退職金で会社を設立したのがマイクロ・ビークル・ラボです。
 ―マイクル・ビークルの開発をどう支援するのですか?
 良い電池を提供することです。電池やセルをメーカーより購入して、組電池にし、保護回路や充電器までコーディネートします。 主に設計・試作から実証テスト、少量生産までをお手伝いしています。

 ―電池は国産ですか?
 これまではKRIで開発した電池をOEM生産で韓国から輸入していましたが、リーマンショックで大型電池の生産をやめてしまったんです。それを機に日本の電池メーカーと組むようになりました。

 ―電池の開発について、どう思いますか?
 材料メーカーから車を評価する大学の教授まで、同じテーブルについて意見が率直に述べれる環境ができれば、電池の開発は進むのではないかと思います。企業間の垣根を越えて開発することが大切だと考えています。