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ITS活用実証実験スタート 博多アイランドシティ物流研究会
 国土交通省は2月20日から、「博多アイランドシティ次世代物流研究会」(物流研究会)と連携し、ITS(高速道路交通システム)を使った物流効率化のための実証実験を開始した。九州地方のITSスポットで得られる物流事業者の車両情報を把握。配送先への到着時刻予測や待ち時間短縮を図ることにより、物流効率化の可能性を探る。
 物流研究会は、平成22年に発足した福岡市港湾局や電機メーカー・家電量販店などでつくる「臨海部物流拠点形成を図るエリアにおける次世代型物流体系の再構築に関する研究会」内に設置された組織。電機メーカー・家電量販店が共同使用できる物流の機能・組織・システムを「物流プラットフォーム」と定義し、その構築に取り組んできた。

 これまで8社の共同配送を実現し、1.拠点移転による共同倉庫内での配送「0」化2.共同配送による運送効率向上およびコスト削減3.CO2排出量削減――を図ってきた。

 しかし、物流拠点での荷物の積み替えや再配送、量販店での効率的な納品作業が求められる中、運行管理や荷物管理、正確な到着時間の把握といったことが課題だった。

 20日からスタートした実証実験では、配送点から家電量販店へ向かうトラックの位置情報などを、九州地方の高速道路上95か所にあるITSスポットで収集。得られた情報を基に、到着予測時間を納品先へ通知することで、家電量販店側における荷受けのためのスペースや人員の確保の効率化を図る。また、走行ルートや急ブレーキ、急ハンドル、速度といった情報を活用して、ドライバーへの安全運転教育にもつなげる。

 実験参加運送事業者はアートバンラインと北部輸送の2社。実験検証事業者は三洋電機ロジスティクスと凸版印刷。