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クラウド型、タクシー配車システムを導入―kmグループ (1/2)
クラウド型の新配車システム導入
 2016 年6月のデジタル方式無線への完全移行が迫るタクシー業界。しかし、アナログ方式からの切り替えが進んでいないのが実情だ。そのような中、スマートフォンを活用したクラウド型の新配車システム「スマートタクシー」の導入が始まった。
 新配車システムは、日本ユニシスとkmホールディングスが共同開発。京浜交通圏(横浜市、川崎市、横須賀市 及び 三浦市)で事業展開するケイエム国際タクシーで、昨年11月に本稼働させた。
 従来のタクシー無線に代わって携帯電話回線を使い、車載端末には汎用性の高いスマートフォンを採用したのが特徴。
カーナビ機能や配車指示受信機能を備え、GPSで車両位置を把握し、顧客に最も近い車両に配車指示を送る。乗務員の操作は画面にタッチするだけで、高齢の乗務員でも簡単に使いこなせ、配車完了まで1秒程度で済む。

導入コストはデジタル無線の7割程度
スマートタクシー導入には、タクシー無線のアナログからデジタル方式への完全移行が背景にある。
 デジタル方式への移行には新たな設備投資が必要だが、厳しい経営を強いられているタクシー事業者にとっては、かなりのコスト負担になる。日本ユニシスによると、全国に約21万台ある無線タクシーのうち、約7割がアナログ無線のままだ。
 日本ユニシスによると、「デジタル方式の無線システムとTCO(維持管理も含めた総コスト)で比べた場合、スマートタクシーならその7 割程度のコストに抑えられる」とのこと。
 このように導入コストがデジタル無線に比べ抑えられる。
需給バランスや低額運賃、LPG 車の生産中止など様々な問題が取り巻くタクシー業界にとっては朗報だ。
 特に、まだアナログ回線の中小タクシー事業者にとって、廉価のデジタル無線だけではなく、新たな選択肢が増えたことになる。