自動車ニュース
クラウド型、タクシー配車システムを導入―kmグループ (2/2)
北海道と沖縄で共同配車も
 無線配車では、「電波の届かない位置にある車両の配車ができない」や「維持費や追加機能に高額な費用がかかる」といった悩みがあり、配車のとりこぼしや乗車クレームを招いていた。
 しかし、スマートタクシーでは携帯電話回線とインターネットを使うため、車両の位置に左右されない一元管理が実現可能。
自社にサーバを置く必要がなく、短期間で導入できるので、クラウドシステムならではの様々なオプションも追加できる。
 日本ユニシスは「タクシー側は無線のように電波が入る位置を気にしなくていいため、たとえば北海道と沖縄でも共同配車ができるようになる」と力を込める。
 さらに、複数の配車センターの集約や他社との配車センターの共同化も可能。実際にケイエム国際タクシーでは神奈川県内の配車室を、順に都内のkmホールディングスの配車室に集約していく計画で、事務所の維持・管理費や人件費などの圧縮効果を狙っている。

車載スマートフォンの可能性
 将来的には、車載スマートフォンの決済機としての利用を考えており、配車および決済時の通信の一本化を見込む。
 その他にも、スマートタクシーの利便性をさらに向上させるため、配車アプリの開発も進めている。顧客が指定のタクシー会社や乗車地、予約時間、目的地を指定すれば配車が確定する仕組み。スマートタクシーを利用する事業者がアプリを共同導入することで、顧客の相互利用・囲い込みが図れるという可能性も秘めている。
 売り上げが伸び悩むタクシー事業者にとって、コスト負担や効率性といった問題を解決する画期的な配車システム。様々なサービスの創出できる可能性を秘めているだけに、今後の動向から目が離せない。