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高速ツアーバス、新たな規制導入 国交省 (1/2)
国土交通省は4月3日、高速バスや貸切バス事業のあり方についての報告書を発表した。
高速バスに関しては、高速ツアーバスと高速乗合バスのそれぞれの長所を生かし、柔軟な供給量調整や価格設定が可能な新たな高速乗合バス規制を導入する。
貸し切りバス事業の適正化・活性化に向けては、法令順守体制の確保や事後チェックの強化、営業面の規制見直しなどを盛り込んだ。
報告書は、業界団体や行政、学識経験者でつくる「バス事業のあり方検討会」(竹内健蔵座長、東京女子大学教授)がとりまとめた。

高速バス分野の対策
高速バス分野では、旅行業者が貸切バスを使って高速乗合バスと同様のサービスを旅行商品(高速ツアーバス)として提供し、輸送人員を急速に伸ばしてきた。 しかし、高速バスツアーは道路運送法に基づく乗合バスの規制が適用されないため、利用者との契約形態や安全確保面に加え、高速乗合バスに課される義務を負わず、公平な競争が阻害されているといった問題が指摘されている。さらに、停留所が設置されていないことや大都市圏のターミナル駅周辺における路上駐停車問題も深刻化している。

高速ツアーバス、600万人が利用
高速ツアーバス連絡協議会の調査によると、高速ツアーバスの利用者は平成17年の年間約23万人から22年には600万人に急増。
 とくに東京、大阪、名古屋、仙台といった大都市相互間では、高速バスツアーが高速乗合バスに匹敵する規模に成長した。
 例えば17年度以降、首都圏と京阪神間の輸送人員は、高速乗合バスが17年度106万6000人、18年度105万7000人、19年度115万3000人、20年度116万6000人と横ばいで推移。
 これに対し、高速ツアーバスは17年度に8万5000人だったものが、18年度に65万2000人、19年度に87万5000人、20年度に115万6000人に伸ばしている。
 また、首都圏と仙台間の輸送人員は高速ツアーバスが高速乗合バスを逆転。20年度は高速乗合バス38万7000人に対し、高速ツアーバスが55万6000人と引き離しているのが実態だ。