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世界1位の航空貨物基地−上海市 (2/2)
物流品質が理解されない文化 −日系物流企業は指導や教育に苦労−

 PACTL Westを出た後、日系フォワーダーが利用している中華系の物流倉庫でオペレーションを拝見した。
 パレット上に貨物を載せて、保管ラックに仮置きしている。欠けていたり釘の飛び出したパレットも普通に使用されている。スチール製の3 段保管ラックは、床にボルト締めもされていない。理由を中国人マネージャーに伺ったところ、「ボルト締めしていないので、フォークリフトがラックに接触しても、ラックごと移動してくれる。そのため、損害にはならない。」と即答された。
 「フォークリフトが接触しない物流品質を構築する」という意識はないのである。これは、中華系物流企業では当たり前。日系物流では、日系物流企業の提携・契約した中華系物流企業が、実際の物流を担っているのが一般的だ。しかし、上述の通り、本質的な「物流品質」が理解されない文化の中にあって、日系物流企業は日々 指導・教育に苦労している。
 準大手の中華系物流企業で、貨物の取扱いについて 個別のKPIを策定している水準にあり、最大手の物流企業では会社を挙げて物流品質向上の取り組み始めている。というのが、中国物流現場の「品質」に対する考え方の現状である。