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日系企業の集積地 −江蘇省 (2/2)
保税区のメリットを活かした輸送方法 −日中間フェリーの利用−

 上海外高橋港域で陸揚げし、江蘇省まで陸送するには、上海市内で時間を要する。市内の渋滞に加え、日中はトラックの市内進入規制があるためだ。
 太倉港は、蘇州市区・無錫市区・昆山市区の保税区と提携している。これら保税区と太倉港との間には「区港連動制度」があり、通関手続きは各保税区で行えるため、太倉港での手続きを省略できる。
 日中間フェリーを利用すれば、輸送時間が短縮でき、コストメリットもあるという。港湾当局による現物検査も保税区で行われるため、コンテナを開けられることがない上に、フェリー輸送なので港湾での荷役もない。設備の整った陸路物流環境 −国力を感じる真新しい道路網−

 太倉港を出て市内の開発区を抜け、高速道路で蘇州へと向かった。
 開発区内の一般道は、中央分離帯を挟んで片側3 車線。植え込みの外側には自転車・バイクの専用道、さらにその外側には歩道と続く。街灯の間隔は日本よりも狭く、夕方からは煌々とライトが灯る。補修も行き届き、国力を感じさせる。
 中国では、全土で毎年135,000 kmもの道路が建設されており、高速道路の総延長も世界第2位となった。135,000 kmとは、日本縦断で35 往復を超える距離。江蘇省でも道路建設の速度は凄まじく、高速道路や開発区の周辺では、真新しく設備の整った陸路物流環境が整っている。