自動車ニュース
内陸の自動車産業 集積地−重慶市 (2/2)


良好な鉄道輸送環境 −反面、積み降ろし時の問題点−

 上海/南京間で、鉄道輸送環境を調査したことがあったが、輸送中の揺れも少なかった。更新されたコンテナターミナルを利用する限り、
輸送環境は良好といえる。
 敷地内には、いくつものバラ積み貨物取扱い用の倉庫に沿って 線路が引き込まれており、箱形の貨車から段ボール入り貨物の積み降ろし
を行っている。
 作業は人夫達の手作業で、貨物は放り投げられ、一部の貨物は屋外に保管されている。ここではまだ、雨濡れや破損事故が絶えない物流環境が続いていた。旧来の中国が残る内陸部 −温度・湿度環境に苦慮する貨物保管−

 重慶では、日系自動車メーカーの重慶工場で生産された車両をよく見かける。このメーカーの進出は早く、近年は重慶でも開発が目覚ましいが、この工場の周囲は新設開発区とは対照的に、旧来の中国を印象づける。長江に敷設された重慶港や市街地に繋がる道路環境は必ずしも良いとはいえず、ところどころで更新工事が行われていた。
 物流企業の倉庫を訪問し、拝見した。庫内の温度は50℃近く、サウナに入ったよう。
 搬入前に雨で濡れ、潰れてしまった段ボールの貨物が、保管用ラックに積み上げられている。無傷で搬入された貨物でさえ、湿度で本来の強度を保てずに、ラック内で荷崩れが発生してしまっている。
 こうした光景は華南地区や華東地区、長江沿いの内陸部ではよく見られる。どこに行っても日本と同じ物流環境だと思っていると、適正なロジスティクスの構築は難しい。