自動車ニュース
日本のカーシェアリングと駐車場運営 (2/3)
駐車場運営会社にとって最適なビジネス
よく、「なぜ駐車場屋さんがカーシェアを始めたのか?」と言われるが、やればやるほど駐車場運営会社が手がけるビジネスだと強く感じる。都心部でカーシェアリングを展開しようとする場合、一番コストがかかるのがステーションの確保。使用する車両はコンパクトカーが多く、車両自体のコストは月2万円程度で済む。しかし、東京の都心部で駐車場を借りてカーシェアリングをしようとすると、3万円、4万円、5万円とかかってしまい、トータルの3分の2が駐車場代というコスト構造になってしまう。
 駐車場運営会社の強みは、すでにステーション用のスペースを確保しており、空きスペースを有効活用できれば、そういったコストが駐車場事業の方で負担できる点。そのため、「理論上は駐車場コストがゼロで運営できる」というメリットがある。こういった点からも、駐車場運営会社が手がけるのが一番良いビジネスではないか?と感じる。

 駐車場事業としての課題は、交通環境の改善。1991年12月に「コインパーキング」を始めて以来、昨年12月の時点で、35万台の駐車場を運営している。他社を含めれば、コインパーキングは推計で60万台、70万台と言われる。
 一方、路上駐車は道路交通法の改正などで、ピーク時に比べれば減少した。しかし、依然として路上に車が止まっている状況だ。駐車場運営会社としては、1か所でも多くの駐車場を確保し、違法駐車のない快適な道路環境づくりに取り組んで行きたい。
 さらに最近では、低炭素社会の実現と、交通環境改善に向けた取り組みも求められている。我々は、位置や満車/空車などの情報配信を行っているが、これは、低炭素社会の実現と交通環境改善の両方に効果があると思っている。

よく、「なぜ駐車場屋さんがカーシェアを始めたのか?」と言われるが、やればやるほど駐車場運営会社が手がけるビジネスだと強く感じる。都心部でカーシェアリングを展開しようとする場合、一番コストがかかるのがステーションの確保。使用する車両はコンパクトカーが多く、車両自体のコストは月2万円程度で済む。しかし、東京の都心部で駐車場を借りてカーシェアリングをしようとすると、3万円、4万円、5万円とかかってしまい、トータルの3分の2が駐車場代というコスト構造になってしまう。
 駐車場運営会社の強みは、すでにステーション用のスペースを確保しており、空きスペースを有効活用できれば、そういったコストが駐車場事業の方で負担できる点。そのため、「理論上は駐車場コストがゼロで運営できる」というメリットがある。こういった点からも、駐車場運営会社が手がけるのが一番良いビジネスではないか?と感じる。

 駐車場事業としての課題は、交通環境の改善。1991年12月に「コインパーキング」を始めて以来、昨年12月の時点で、35万台の駐車場を運営している。他社を含めれば、コインパーキングは推計で60万台、70万台と言われる。
 一方、路上駐車は道路交通法の改正などで、ピーク時に比べれば減少した。しかし、依然として路上に車が止まっている状況だ。駐車場運営会社としては、1か所でも多くの駐車場を確保し、違法駐車のない快適な道路環境づくりに取り組んで行きたい。
 さらに最近では、低炭素社会の実現と、交通環境改善に向けた取り組みも求められている。我々は、位置や満車/空車などの情報配信を行っているが、これは、低炭素社会の実現と交通環境改善の両方に効果があると思っている。

駐車場の確保と稼働率
駐車場の供給は圧倒的に不足している。駐車需要が約2300万台あるのに対し、駐車可能台数が700万台分と、3分の1も供給されていない。受給ギャップを埋めるため、1か所でも1台分でも多くの駐車場確保が重要だ。
 駐車場ビジネスは、事業開始から5、6年くらいが良い時期だった。どこに駐車場を作っても車が入った。圧倒的に駐車場がなかった時代、一般の方が使える時間貸し駐車場は、駅前や繁華街、商店街近くの公共駐車場のみ。そこから少し離れると、駐車場がない環境だった。
 しかし それ以降は、駐車場にとっての一等地が少なくなり、おいしい時代でなくなってきた。そうは言いながらも、駐車場の開発余地はまだまだ残されている。

 「駐車場用地を探すのは大変ですよね?」と聞かれるが、実は候補地を探すよりも、そこに何台分の駐車スペースを確保するかが大切。時間貸し駐車場の商圏は半径200mと定義しているものの、実際には半径100〜150mだと考えている。車の利用者にとって一番の望みは目的地の目の前で降りること。ある程度離れていても、使っては頂いているが、それでも半径200mくらいだと思われる。
 地主様から土地を借りて、駐車場の運営をする際には、台数の見極めがとても重要になってくる。駐車スペースを20台分つくるか?10台分つくるか?5台分つくるか?によって稼働率が大きく変わってくるからだ。

こうした中、我々としては、全ての駐車場をオンライン化して、データ分析している。 全てのスペースごとの稼働率をリアルタイムで把握できるようにし、入出庫率が高い時間帯や、エリア別の収益分布などを調べている。 
 駐車場の収益が低いところは「何が原因か?供給台数が多いのか?需要が少ないのか?」を判断して、次の展開につなげる。収益の高いところは「需要に対し、供給が足りていない」ということなので、駐車場を作った方が稼働できると判断し、一ヶ所でも多くつくることに力を入れている。

 オンラインシステムを使い、利用者には様々なサービスを提供している。1つ目はカーナビを通じた駐車場の位置情報と満車/空車情報の配信。これにより、空いている駐車場まで最短ルートをガイダンスできる。ドライバーとしては迷わず目的地に行けて、移動時間が少なくなる。
 スマートフォンのアンドロイド向けサービスでは、“タイムズ駐車場検索アプリ”が無料でダウンロードできる。現在、スマートフォンにはGPS機能がついているので、カーナビを持っていなくても、駐車場の空き情報やルートガイダンスを得られる。
 東京 有明セントラルタワーの駐車場では、昨年から予約サービスを行っている。2008年から、駐車場料金をETCカードで清算できるサービスも、大阪市内の長堀駐車場で試験的に導入してきた。予約や決済ができる駐車場を1か所でも多く作り、利用者が便利に使えるものを増やしたい。

パーク&ライドにおけるポイントとしては、スイカやパスモといったICカード利用者が駐車場を使った場合の料金面の優遇だ。ネックとなっていたのが、電車に乗ってきたかどうか?わからなかったこと。しかし、現在は乗車履歴データを提供して頂ける。そのデータをもとに、電車を使った利用者の駐車料金の割引が可能だ。駐車料金を優遇することで、パーク&ライドを推奨する取り組みだが、現在、ほとんどの鉄道会社のICカードに対応できる。ベッドタウンと言われる都心周辺部で、駐車場運営会社がパーク&ライドを使ってもらえる環境を提供し、間接的に低炭素社会に向けた貢献をしようという取り組みを行っている。