自動車ニュース
フィリピンの自動車整備と交通事情 (3/3)
自動車の整備技術
フィリピンは器用な人が多く、部品の交換も最小単位。
アッセンブリー交換はまず考えられず、どのパーツもオーバーホールする。
(人件費が安いため、時間のかかる作業を厭わない)
キャブレターが今でも主流のため、キャブレターの修理は得意。
半面、EFIについては苦手か、修理方法がわからない人も多い。

メンテナンスへの関心
古い車が沢山走っている上に、しっかりとしたメンテナンスを整備工場で行わないため、路上でのトラブルが多い。
その為ドライバーは、通常 工具を積んでおり、最低限のメンテナンスが可能。
路上でブレーキ・ドラムを外しているのは日常の風景。

整備士育成過程
キャブレターがメイン。ディストリビューターもオルタネーターも接点式を学ぶ。ICタイプは、優秀な先生しか教えられない。
ABSやエアバックのことがわからない人も多い。
各ディーラーで、初めてEFIなどについて学ぶ生徒も多い。
(地方都市にも、各ディーラーはある)



こうして海外に出ると、日本を支える屋台骨は自動車産業だと、ひしひしと感じることができます。
「その一翼を担っている皆さんには、日々プライドを持って仕事をしてもらいたい」
...それが、日本で頑張っている整備士の皆さんに、私が最も伝えたいことです。
日本人が想像している以上に、日本車は、元気に世界中を走り回っています。そして そのクオリティーの高さを、世界中の人々が評価しています。
そんな日本車を、皆さんは最新の現場で、日々 修理やメンテナンスしています。私も日本を離れるまでは考えもしませんでしたが、私たちは、自分たちが思う以上に「すごい仕事をしている」のです。
皆さんにも、そのことに気づいてもらいたくて、フィリピンにて筆を執らせて頂きました。 
このコラムが、日本の底力を見直すきっかけになってもらえれば、何より嬉しい限りです。