自動車ニュース
日産自動車、EVが切り開く新たな可能性 (2/3)
電気自動車の活用例
 個人がEV を所有するという私的な活用だけでなく、公的な場所での活用も考えらます。「電気自動車タクシーシェアのりば」の実証実験では、病院から帰る患者さん向けの実証実験を行いました。病院のタクシー乗り場にEV、LPG 車を交互に配車して乗車することで、EVもLPG 並みの収益を上げることが可能であると実証されました。EV、LPG 車が両立共存しているという成功事例です。EV タクシーの今後のビジネスへの展開に期待しています。

グローバル生産計画
 現在、今後数年で海外市場へ向けた商業用EV、ラグジュアリーブランドEV のラインナップ確立を目指しています。レナウンと日産の2社で8車種のラインナップ増加を計画中です。
 また、2012 年末以降バッテリーと車両の生産を開始し、日米欧三カ国で生産体制を整える予定です。

電気自動車支える技術 
 電気自動車には1.ゼロエミッション、2.化石燃料からの脱却、3.優れた静寂性、4.ガソリン自動車にはない加速感、5.リアルタイムの情報を吸い上げるIT サポートが可能であることなどの特徴があります。こうした特徴は15年で大幅に性能向上したバッテリーの進化や、部品の進化、モーター技術の向上によって支えられています。

バッテリー技術
 バッテリーは足下・座席の下に薄く平らに載っています。10 年ほど前の鉛電池だと容積がリチウムイオン電池の8 倍にもなるため、同じ性能を持たせると、人が乗れるような自動車にすることはできませんでした。近年、性能と信頼性の点で最もバランスが良いと思われるリチウムイオン電池に注目が集まりました。バッテリーは価格、性能、質量の3 つのパラメーターを決める際、重要なキーとなります。なので、量産してたくさん買ってもらうというレベルになるためにはバッテリーの進化が欠かせませんでした。

モーター技術
 モーター技術は、ガソリン自動車と違い踏んだ瞬間から最大トルクが出せます。実際に乗ってみると、信号でのストップアンドゴーや高速の合流地点等でモーターの特性が一番感じられます。これは街中で乗るには非常に適した技術であると言えます。また、踏んだ瞬間から最大トルクが出せてしまうため、トルクをうまく制御する技術が兼ね備えられていなければ快適な走行ができません。。モーターの技術とトルクの制御技術の両立によって、気持ちよく乗れるスムーズな加速が実現します。

新たな可能性
 これまでは新車をたくさん出してゆくことが目的でした。しかし、電気自動車では必要なインフラ作りや、あるいは初期価格を下げるためのバッテリーの再利用(動力源から定地用)など二次利用のビジネスモデルを検討することも始めています。
 電気自動車ならではの進化もあります。例えば、現在の自動車技術はガソリン・トランスミッションがモーター・インバータに置き換わっただけですが、電動車のその先には、例えばインホイールモーターの利用によって今までの車体などの制限が取り払われ、枠組みを超えた新しいパッケージの可能性があります。また、大容量の電池を上手く使い、車をインフラの一部として組み込むなど、車を超えた大きな枠での取り組みも考えられます。こうした取り組みは一社では実現することができないため、政府、地方自治体、様々なパートナーと協業して取り組む必要があります。電気自動車の開発とは、トータルでの取り組みであると考えています。