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大阪府の運輸振興助成補助金は約2億5千6百万 府議会で答弁
 自民党の出来成元府議会議員は9月28日、大阪府議会で運輸事業振興助成金について質問を行った。それに対し大阪府の商工労働部長の笠原哲氏が回答した。
 出来議員は、運輸事業振興助成交付金の法律での規定について「昨年成立した法律により算定された今年度の算定額は、11億5千万円」だと指摘した上で「事業者団体の提案する事業が、その補助金の使途としている事業に資するものではないのであれば、団体に対して目的にあう事業を提案するよう指導すべきと」と訴え、再検討の必要性を要望した。
 これに対し、笠原商工労働部長は予算経緯を「算定額約11億5千万円に対し、大阪府トラック協会および大阪府バス協会から計約10億3千万円」の事業提案があったと説明した上で、事業を精査した結果、約3億9千6百万円と見積もり、その内、大阪府トラック協会が実施している、事業者に対する検査や指導を行う安全運行パトロール等の事業費約1億4千万円については国が国費で行うべき事業との見解を示した。その上で、「補正予算案を約2億5千6百万円した」と予算経緯を説明するにとどまった。
 最後に出来議員は、運輸振興助成補助金について再度検討すべきと要望した。

主な議事は次の通り。
【出来議員】:運輸事業振興助成交付金についてお尋ねします。昨年成立した法律により算定された今年度の算定額は、11億5千万円と聞いている。それに対して今回議案にあがっている補正予算案は、2億5千6百万円です。そもそもこの補助金は軽油引取税の暫定税率の実施に伴い税負担事業者の近代化対策として創設されたものであり、国と地方との大きな枠組みの中で国から都道府県に対して地方交付税処置されていることに加え、橋下前知事が問題視してきた通達でなく、改めて国の法律で定められたものです。にもかかわらず法律で定められた補助金として国から処置される交付税についていろいろな理由をつけてその大半を支給せず、全く別の事業の財源にあてようとしているになってしまいます。
 事業者団体の提案する事業が、その補助金の使途としている事業に資するものではないのであれば、団体に対して目的にあう事業を提案するよう指導すべきです。
 国から特定の目的で措置される交付税をその目的以外の事業に充てるというのでは、一方では地方の権利を主張しながら、一方では地方の義務を欠くことになり国と地方との信義則に反するものです。
 地方分権を推進しようとする方向とは全く相反するものになってしまうのではないでしょうか。
 法律で算定された額に対し、およそ5分の1しか予算計上されないのは一体なぜですか。商工労働部長にお尋ねします。

【笠原商工労働部長】:運輸事業振興助成補助金についてお答えもうしあげます。
 法に基づく算定額約11億5千万円に対し、大阪府トラック協会および大阪府バス協会から計約10億3千万円の事業提案がありました。
 府は、事業提案を受けまして、交通安全や環境などの分野、及び府民の利便性の向上に資する事業の内、府民および事業者に効果が行き届くものという観点から事業を精査した結果、約3億9千6百万円と見積もりをいたしました。これらの事業のうち、貨物自動車運送事業法に基づき、大阪府トラック協会が実施している事業者に対する検査や指導を行う安全運行パトロール等の事業費約1億4千万円については、本来国費で措置すべきでございますが、未措置である現状を踏まえ補助対象と認めたものです。
 ただし、今年度は協会の過去の補助金以外の預金をあてていただくことといたしました。このため運輸振興助成補助金にかかる補正予算案は、約2億5千6百万円となったものでございます。
【出来成元議】:改めてこの補助金のあり方について検討しなおしする必要がある。