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ITS世界会議に向けて 柏市をITSで次世代環境都市へ
柏市をITSで次世代環境都市へ

2013 年、ITS 世界会議が東京で開催される。
 そこで、東京大学が協力しているITS 実証実験モデル都市の柏市を次世代環境都市へすべく、2010 年2 月に柏ITS 推進協議会を立ち上げ、次世代モビリティの検証や次世代の公共交通システム、プローブ情報の収集とその蓄積システムの開発などを進めている。柏市では東京大学のほかにも、三井不動産が大規模な開発を進めている。

柏の葉UDCK と東京大学柏の葉キャンパスの存在
 その背景には、民間(三井不動産など)と大学(東京大学・千葉大学)、公共(柏市など)をつなぐ組織、柏の葉UDCK(アーバンデザインセンター)の存在が欠かせない。柏の葉UDCK は2008 年から「柏の葉国際キャンパスタウン構想」を千葉県、柏市、東大、千葉大の4者で策定し、構想の実現に向けフォローアップしている。

柏ITS 推進協議会の取り組み
 そこで、柏市で行われているITS 関連の取り組みについて、東京大学の田中教授に話を聞いた。
 柏市では次世代の公共交通システムとして、オンデマンド交通やパーソナルモビリティ、カーシェアリングを合わせた、総合的な交通体系の実証運行を行う。車両はすべてEVを採用する。この交通を利用した際のログをデータベースに蓄積し、そのデータを活用して乗車効率を高めたり、都市設計に反映させることで、利便性を向上させる。
 また、次世代モビリティについてはPMV(パーソナルモビリティビークル)やエコライド、次世代LRT などの技術検証を目指してている。そのほか、いま話題の超小型EV などについても検討している。キャパシタ駆動により非接触で充電しながら走行する、世界初の電磁共鳴式EV へのワイヤレス充電システムの研究開発を行い、将来的には高齢者にやさしいモビリティとしてカーシェアリングや社会実験を行う計画だ。
 「まずは公共交通に乗って頂き、その後パーソナルビークルを活用」する方向で設計している。その上で、様々な車種のモビリティを共通のインターフェースでシェアリング出来る「マルチモービル・シェアリング」を進めている。
 つまり、自家用車や各個人のプロローブ情報を収集し、さらにVICS などの道路交通情報やバスや鉄道の運行情報を「ITS 基盤システム」へと集約し、公共機関へ情報をフィードバックすることで、渋滞の原因究明や交通マネジメントに役立てたり、市民や来訪客へ情報を配信することで移動を円滑に行えるようにし、環境にやさしい移動を選択するように改善を促す。

柏市から世界へ配信
 こういった取り組みを、来年の10 月14 日から東京ビックサイトで開催されるITS 世界会議東京2013 で、実際にITS が街の中に溶け込んだショーケースとして、柏市から世界に発信する予定だ。