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環境保全優良事業者等局長表彰式 金田運輸など5事業者が受賞 (2/2)
 休憩をはさんで、第2部の記念講演(「環境保全と交通弱者のモビリティ確保に配慮した公共交通」講師=斎藤峻彦・近畿大学経営学部教授)に移った。

 斎藤教授は交通政策の課題を環境保全と関連付けながら
▽比較的短期で可能なもの(エコドライブ、省エネ車両の導入など)
▽やや中期を要するもの(交通需要管理、排出権取引に関わる各種施策・実践など)
▽長期を要するもの(環境改善・保全を目指す技術革新―の3つに分類。
それぞれに分析を加えた。

 また広島・松山・長崎・ドイツ・米国など公共交通施策を通じて街の活性化に成功している例を具体的にあげながら「交通における三位一体とは競争的交通市場と高規格の交通インフラの2つがうまく作用することでモビリティ社会が生まれる」とし、「競争の結果、優秀な交通企業が残っている点が日本の交通の大きな財産。
▽便利で活気のある町
▽便利で誰もが利用できる交通
▽地域環境・地球環境の保全
が《かけがえのない便利な公共交通》だ」とした。

 さらに「交通政策の喫緊の課題」として「公」と「民」の新しい関係、交通政策関連財源・使途の再編―を『今後の宿題』として問題提起し講演を締めくくった。

 次いで今回受賞の各事業者代表による「交通環境活動取組事例紹介」で、金田運輸(株)は兵庫県で初めてグリーン経営認証を取得し、天然ガス自動車の導入や西宮市環境フォーラムへの参画などを紹介した。

 最後に、前田純治・大阪陸運協会理事長は「安全で環境にやさしい『クルマ社会』の構築を目指し、調査を重ね、それを成し遂げた対象を顕彰する当賞は誠に時宜を得たもの。当会も盗難予防ステッカー『サードナンバー』等を通じ、『クルマ社会』に向き合っている。今後とも『クルマ社会』の発展に寄与していきたい」と閉会のあいさつ。