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兵庫県自動車関係団体連絡会 原近運局長との意見交換会開催 (2/2)
 次に原局長のプロフィール紹介で、勝田年和・兵庫陸運部長は「東北に赴任の折は秘湯めぐりをされ、日に数ヶ所も回った、と聞く。サンフランシスコにおられた時は、近辺にワイナリーが多数あるということで、ワインをかなり求め、持ち帰ったとのことで、一度ご相伴にあずかりたいと思います。関西勤務は初めてだが関西の食文化や京都・奈良の寺社めぐりにどっぷりつかって頂きたい」などと人柄を紹介した。

 次に原局長は「昨年後半からの世界不況による景気後退の影響を受け、わが国も厳しい状況にある。特に近畿では5月からの新型インフルエンザの影響もあり、自動車交通運輸産業は非常に厳しい経営環境にあると聞いている。交通運輸や環境の振興を通じて近畿圏全般の経済回復に全力を尽くすとともに、地域に密着したきめ細やかな輸送サービスを通じて、国民生活の質的向上を目指し、さまざまな課題に果敢に取り組んでいく所存です。特に運輸業最大の課題は安全確保だ。当局では3年前に施行された運輸安全マネジメント評価制度に基づき、鉄道・自動車に係わる業務にスタッフ制を取り入れ、効率的に監査要員を配置し、ヒューマンエラーが起因で多発している事故を未然に防止する施策を積極的に推進していきたい。特に今後とも運行管理の徹底、監査の強化、運輸安全マネジメントの導入―これを三位一体として、一層の安全対策を進めていきたい。また、乗合バス運転事業については、都市・地方とも厳しい経営環境になっているということを踏まえ、自治体等と連携し、地域の実情を踏まえたバスサービスの提供を行っていきたい。タクシー事業については去る6月に成立したタクシー新法を着実に実施するため、関係者の協力を得、供給過剰地域における協議会を速やかに設置、国家的な地域政策を策定できるよう、局をあげて取り組んでいきたい。またトラックだが、一番経済の動きの影響を受けている分野であるが、中小事業者の構造改善、取引の適正化を行っていきたい。次に自動車販売業であるが、ワンストップサービスの利用促進を図っていくとともに、利用者の安全確保のため、整備業界の協力も得て、適正な点検整備の推進を図っていきたいと」と述べた。

 意見交換では上杉雅彦・兵バス協会長は「業界が抱えている問題が3点あり、要望・問題提起を行いたい。1点目は今回の政権交代により、早々と09年度の第2次補正予算の一部凍結、さらには10年度の概算要求の白紙見直しがあった。09年度の補正で未執行の3兆円のなかに環境対策面の代替えバス車両補助が入っている。これがゼロになると経営計画に支障をきたす。自動車交通局関係の概算要求がどうなるのか心配している、地方バスの補助が削減されれば途端に経営破たんに繋がる事業者が全国に多数ある。高速バスの段階的無料、通行料無料は業界として断固反対です。安全マネジメントについては小規模・零細事業者に網がかっていない。ご指導をよろしくお願いします。地域公共交通会議を全市町村での立ち上げを兵庫県に対して要望して頂きたい」と理解を求めた。

 松本奈良雄・兵タ協会長は「タクシーの特措法の成立は非常にありがたい。また全車を禁煙タクシーに11月1日から実施しようとしています、ご協力をよろしくお願いします」と述べた。福永征秀・兵ト協会長は「規制緩和は決して悪くはないと思っているが、コスト削減が先行し運賃が低下している。昭和56年当時と同じ程度です。近年では新規参入するも事業廃止する事業者が多くなってきている。規制緩和の行き過ぎた見直しを検討して頂きたい。燃料サーチャージに期待をよせたが、もっと行政当局の推進をお願いしたい。認可運賃とはいかないが、標準運賃として世間一般に提示して頂いて事業運営が行えるような環境作りをお願いしたい」と述べた。

 前野博司・兵個人タク協会長は「県内の個人タクシーの各団体では組織維持が難しくなっている。死亡廃業の減少分については特段の配慮をお願いします」と。前田純治・大阪陸運協会理事長は「公益法人改革について情報がでましたら速やかにお知らせ頂きたい」と。

 橋本一豊・兵整協会長は「一部の自治体で自動車の定期点検の未実施があると聞きます。公共の機関が自動車の定期点検を率先して実施していくことが必要だと考えております。ご指導よろしくお願いします」と。

 松本和幸・日本自販連兵庫支部長は「ワンストップサービスの推進するため、兵庫日産とネッツトヨタ神戸でトライアルを今月下旬から実施し来年1月に50%の利用率を目標に取り組んでまいりたい。9月29日には新システムのセレモニーもあり促進していきたい」と。

 これらを受け、原局長は「本省でも政権交代後まだ民主党の方々と接触する場もありません。安全・安心生活の基盤作りは今後とも重要であります。頂いたご意見については、しっかり胸に止めさせて頂き今後の局長として取り組む糧とさせていただきます」と述べた。